50代・60代はベンチプレスで何キロ挙げれば「すごい」のか

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50代・60代はベンチプレスで何キロ挙げればすごいのか

 AROUND60 FITNESS(ロクマルフィット)をご覧いただきありがとうございます! 筋トレ歴10年の副業ライターあんじょうです。

 フリーウェイトでトレーニングされている方なら、一度はやってみたくなるのがバーベルベンチプレスではないでしょうか。特に男性なら「ベンチプレスで何キロ程度挙がるのが普通なのか?」とか「どのくらい挙がれば『結構すごい』といえるのか?」と考えてしまいますよね。

 正直申し上げて、50代・60代のアラ還世代にとって、高重量を追い求めるのは怪我のリスクが高いので、おすすめはできませんが、気になってしまうのが人の性(さが)というものです。

 そこで、本日は筋トレ種目の挙上重量によって自分のレベルが確認できる「判定サイト」をご紹介するとともに、ベンチプレスの挙上重量がどの程度であれば「すごい」のかについてお話したいと思います。

 この手の話題は他のWebサイトでも取り上げられていますが、当サイトでは「50代・60代ならばどの程度か」に着目してお話しますので最後までお付き合いください。

 本日ご説明するのは以下の内容です。文中に表などが入って、長文になっていますので、目次からご興味のあるパートに飛んでいただければと思います。

  • ベンチプレスのレベルを判定してくれるWebサイトをご紹介
  • ベンチプレスの体重別レベル一覧(全年齢・男女別)
  • 50代・60代のベンチプレスの体重別レベル一覧(男性のみ)
  • 年齢による筋力低下の考察(加齢により挙上重量はどの程度変化する?)
目次

筋トレの「レベル判定」をしてくれるWebサイトがあります


 本日ご紹介するのは「Strength Level」というWebサイトです。実際にご覧いただければ分かりますが、ベンチプレスだけでなく複数の種目について「レベル判定」ができるようになっています。

 このサイトの自己紹介ページを読むと、マイケル・クラークさんというケンブリッジ大学出身の方が2007年に開設され、利用者が入力したデータをデータベース化することで、データを入力した人が、データベース上に蓄積されたデータの中でどのポジションにいるかを評定してくれる、という仕組みのようです。

 原文は英語ですが、翻訳したものを掲載しておきます。(右の「▼」印をクリックすると表示されます)

Strength Level について(原文はこちら

目的

Strength Levelは、他のリフターと比較して自分がどれくらい強いかを理解する手助けをすることによって、あなたをより強くすることを目的としています。
私たちの基準は、異なる体重や年齢に対応しており、あなたのパフォーマンスをより公平に比較できるようになっています。自分のパフォーマンスを理解することで、筋肉を増やす・脂肪を減らすための目標を調整することができます。
私たちは、ユーザーが入力するデータに基づいて基準を設定しています。これにより、ウェブ上のどこにも存在しない独自の基準を提供することができます。各リフトとリフターを慎重に評価し、そのリフトを基準に含めるべきかどうかを判断します。

歴史

Strength Levelは、2007年にマイケル・クラークによって設立されました。2007年当時、マイケルは自分の体重が増加するペースと、自分のパフォーマンスが改善されるペースが同じかどうかを判断することができませんでした。その頃、exrx.netに掲載されている標準を除いて、良い相対的な強度計算機はほとんど存在しませんでした。Strength Levelは同じアイデアを取り入れ、5つの主要なバーベルエクササイズについて、どんな体重でも自分を評価できるようにしました。
最近では、ダンベル、ケーブル、体重を使ったエクササイズなど、さまざまなエクササイズにも対応しています。現在では、30以上のエクササイズがあり、基準はユーザーが計算機に入力したデータを基に自己生成されています。

チーム

マイケル・クラークは、Strength Levelの創設者であり開発者です。彼はケンブリッジ大学でコンピュータサイエンスの修士号を取得しており、何年ものプロフェッショナルな開発経験を持っています。彼とはFacebookページを通じて連絡を取ることができます。
私たちは、友人やユーザーからたくさんのアドバイスやヒントをいただいています。改善点を教えていただきありがとうございます。私たちは引き続き、できる限り最良の体験を提供できるよう努力していきます。

サイトは英語のみでなく、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ポーランド語、ポルトガル語、スペイン語に切り替えられますので、世界中のデータが蓄積されていると考えられます。

 自身の体重や挙上重量を入力することで自分のレベルを判定できるだけでなく、「全年齢で体重別」と「全体重で年齢別」で挙上重量のレベルが確認できるページもあります。ただ、「年齢別でかつ体重別」は一覧できないようです。

 どうも以前は一覧できたようでして、後述するYouTubeチャンネル(筋肉トーク好き集合!)の数年前の投稿にはこのWebサイトで表示させた「年齢別でかつ体重別」の表が紹介されていました。後半でご紹介します。

ひょっとするとあんじょうがこのWebサイトの見方がわかっていないだけかもしれませんが…。そうであればご容赦ください。

ベンチプレスの体重別レベル一覧


 では、Webサイト「Strength Level」で表示されるベンチプレスの上達レベル別・体重別の挙上重量一覧を見てみましょう。この表は当該サイトにご自身のデータを登録した13,283千人以上(2024年11月現在)のデータから統計的に算定されています。

 表に示した「初心者」「初級者」「中級者」「上級者」「エリート」という区分の定義は以下のとおりです。

初心者サイトに登録された人達の中において下位5%〜20%に位置する。目安として最低1ヶ月間はトレーニングしているレベル。
初級者サイトに登録された人達の中において下位20%〜50%に位置する。目安として最低6ヶ月間はトレーニングしている。
中級者サイトに登録された人達の中において上位20%〜50%に位置する。目安として最低2年間はトレーニングしている。
上級者サイトに登録された人達の中において上位5%〜20%に位置する。目安として5年以上はトレーニングしている。
エリートサイトに登録された人達の中において上位5%に位置する。

 この定義を読み解くと、概ね「中級者」以上であれば「全体平均より上」ということになるので、「中級者」の欄に書かれている重量以上を挙上できるなら「すごい」と考えて良いと思われます。

 表を読み解くにはいくつか留意点があるのですが、表をお示しした後で留意点について解説したいと思います。まずは以下、男女別の表をご覧ください。

上達レベル別・体重別の挙上重量(男性)【単位:kg /1RM MAX】

スクロールできます
体重初心者初級者中級者上級者エリート
5024385779103
5529456487113
6034517296123
65395779104132
70446285112141
75496892119149
80537498127157
855879105134165
906284111141172
956789116147180
1007194122153187
1057599128160194
11080104133166200
11584109138172207
12088113143177213
12592118148183219
13095122153188225
13599126158194231
140103130163199236

上達レベル別・体重別の挙上重量(女性)【単位:kg /1RM MAX】

スクロールできます
体重初心者初級者中級者上級者エリート
40818325070
451021365576
501224405982
551527436487
601729476892
651932507296
7020345375101
7522375679105
8024395982109
8526416286112
9028446489116
9529466792119
10031486995123
10533507298126
110345274100129
115365476103132
120375679106135

表を読み解く上での留意点について

留意点1:「レベル」は、当該サイトにデータを入力した人の中での話

 前述の定義でお示ししましたが、この「上級者」や「中級者」といった区分は、あくまでもこのサイトに登録された方の中で上位何%、あるいは下位何%に位置付けられるかを示したものです。

 登録した方々はある程度筋トレ(ベンチプレス)に興味があったり、経験があったりする人でしょうから、世間の「運動に興味がない人」も含めた場合の挙上重量のレベルよりは高めに出ていると考えるのが自然です。

 どの程度の高めか確認する方法はありませんが、あくまでも「目安」程度と理解するようにしましょう。

留意点2:体重別の表では年齢については区別できていない

 前述の表は「年齢については区別できていない」という点にもご留意ください。例えば、体重60kgの欄には、体重60kg台の方であれば10代の方から80代以上の方まで含まれます。登録されている方の比率が若い世代(20代〜30代)が多ければ、重量は高めに出ますし、若年層あるいは老齢層が多ければ、重量は低めに算定されているはずですが、この表では、そこがどうなっているかは読み解きができません。

留意点3:「年齢別・体重区別なし」の挙上レベルは日本人の平均より高く出ている可能性あり

 上記に示した表に関する留意事項ではないのですが、Webサイト「Strength Level」を利用する上で留意いただきたいことを補足します。

 サイト内には、全年齢・全体重を含めた平均的な「初心者・初級者・中級者・上級者・エリート」の5段階評価や、年齢別(だが体重別にはなっていない)の5段階評価の一覧表も表示できるようになっています。

 感覚的で恐縮なのですが、この数字が日本人の平均からすると少し値が大きいように感じます。おそらくデータベースに格納された欧米系の方の割合が多く、「大柄な方=体重が重い=高重量が扱える」方の比率が大きいからだと思われます。ですので、我々が参照する場合は、「全体重」もしくは「年齢別(で体重区分なし)」で比較するのではなく、「体重別」の一覧で確認するほうが妥当だと思われます。

50代・60代の体重別一覧

 残念ながら、2024年11月現在、Webサイト「Strength Level」では、「体重別の一覧(=全年齢が合算されている)」か、「年齢別の一覧(=全体重が合算されている)」しか表示できません。

 しかし、昔は両方を組み合わせてできたようです。「筋肉トーク好き集合!」というYouTubeチャンネルにおける数年前の投稿でStrength Levelの画面を撮影され、世代別+体重別の挙上重量一覧を紹介してくださっています。

 残念ながら男性の分しかないのですが、以下のような表が紹介されていました。表の数値を転記させていただきご紹介したいと思います。

【男性50代】上達レベル別・体重別の挙上重量【単位:kg】

スクロールできます
体重初心者初級者中級者上級者エリート
501931466485
552336527193
6027415879100
6532466486108
7036517091115
7539567698122
80436081104129
85476586110135
90516991115142
95547396120148
1005877100126154
1056181105131159
1106585109136165
1156889114141170
1207193118146175
1257596122150180
13078100126155185
13581104130159190
14084107134164195

【男性60代】上達レベル別・体重別の挙上重量【単位:kg】

スクロールできます
体重初心者初級者中級者上級者エリート
501625385370
551930435977
602334486583
652638537189
703042587595
7532466281101
8036496786106
8539547191112
9042577595117
95456079100122
100486483104127
105516786108132
110547090113137
115567394117141
120597797121145
1256280101124149
1306582104128153
1356786107132157
1406989110135161

前述の全年齢を対象とした体重別の一覧と比べると全体的に挙上重量が落ちていることがわかりますね。

年齢による挙上重量低下の考察

 本日お示しした、2種類の表、「体重別の全年齢の一覧」と「体重別の50代・60代の一覧」を比較すると、50代・60代は全年齢平均よりも一定程度挙上重量が低くなっている、ということが言えます。

 計算過程は割愛しますが、「各体重別・レベルにおける、全年齢平均と50代・60代の挙上重量」を比較すると以下のことが言えました。

  • 50代:全年齢平均の81〜82%の挙上重量
  • 60代:全年齢平均の67〜68%の挙上重量

全年齢(=つまり10代もいれば70代以上もいる)との比較ではありますが、おそらく登録されている方の中心は筋トレに興味のある年代(10代後半〜40代)が中心だと思われますので、いわゆる「若い世代」と比べた場合の筋力の差もこの程度と考えて良いのだと思います。

 つまり、ジムで高重量を扱う若いトレーニーと比べて、50代・60代の自分は全然ダメだ…思うのではなく、若いトレーニーの7〜8割の重量を扱えていたら、年齢からすると十分に「すごいこと」なのだ、と考えて良いということです。

まとめ:「何キロ挙げたらすごいのか」の考え方

 ここまで、Webサイト「Strength Level」で確認できるベンチプレスの上達レベルについてご紹介してきました。

 当該サイトでは一覧表だけではなく、自分の挙上重量や年齢を入力すると、自分がどのレベルにいるかを算定してくれるページもありますので、ご興味のある方はリンク先をご覧いただければと思います。

 当該サイトでも言及されていますが、ベンチプレスの挙上重量について巷では一般的に「初心者は体重の0.5倍、初級者は体重の0.75倍、中級は1.25倍、上級は体重の1.75倍、エリートは体重の2倍」と言われています。

 ただ、これは個々人の体重を考慮した数字ではありませんし、算定の元となるデータも「トレーニングを行っている人」が元になっている(=つまり、習慣的に運動していない人も含めると、平均的な数字はもっと低くなる)ので、その点は考慮が必要です。

 50代・60代であっても習慣的に筋トレを行えば筋力増進は図れますが、その増進具合は若い頃のようにはなりません。その点は理解した上で、世代間で比べることなく、あるいは「昔の自分」と比べることなく、「若い世代(あるいは自分の若い頃の7割・8割できていれば及第点、それ以上できているなら十分にすごいことなのだ」と考えていただければ良いのではないでしょうか。

 それでは、本日はこの辺で失礼します。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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