はじめに
AROUND60 FITNESS(ロクマルフィット)をご覧いただきありがとうございます! 筋トレ歴10年の副業ライターあんじょうです。この記事では「アラ還」の後半、60代になってから筋トレを始めても筋肉がつくのか、という話をさせていただきたいと思います。
記事を要約すると、以下のような内容になっています。
・60代からでも「マッチョシニア」は目指せる。
・重要なのは「運動」「食事」「休息」。60代から始めるなら、重要ポイントは筋トレよりも食事と休息。
・60代からの筋肉増量はメリットもあるが程度によってデメリット・リスクもある。
・どの程度の「マッチョ」さを目指すか、目的と目標設定を明確に。
では始めましょう。
「マッチョシニア」の話
以前、「2024年はマッチョシニアが流行るらしい」という記事を投稿しました。おかげさまで当サイトの上位10位内(2024年5月現在)に入る程度にはみなさんにお読みいただけています。
この「マッチョシニアが流行る」という話、内容は「筋トレ・フィットネスにお金を使うシニア層が増える」というものでして、「体格的にムキムキのシニア層」が流行る(増える)という意味ではありません。
しかし、健康や体型維持を心がけ、そこに投資するシニア層が増えるということは、結果的に「筋肉質・ムキムキ」な体格を望む60代が増えると考えてもあながち間違いではないかもしれません。
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新陳代謝も落ちた60代が、一から始めて「ムキムキ」にまでなれるのですか?
その点、少しだけ説明しますね
筋肉はいくつになっても成長する
年齢に関係なく正しく筋トレを行えば筋肉は肥大する、ということは各種研究でも明らかになっています。通常、60代にもなれば「使わなければ老化するが、運動すれば維持できる」程度だろうと思いがちですが、正しくトレーニングすれば、維持だけでなく増進させることも可能です。
厚生労働省が2023年に公表した「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」にも「筋肉は年齢に関係なく鍛えることができます。特に、高齢者は筋力が低下しやすいため、筋力の維持・向上に努めましょう」と記載されており、年齢に関係なく筋トレが推奨されています。( https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001171393.pdf )
実際、60歳前のあんじょうは、40代の頃より今のほうが筋肉はついていますし、ジムに入会したときには小太り体型だったアラ還世代の方が1年程度で逆三角形の体型になっているのを見かけることもしばしばあります。
マッチョシニアを目指すとすれば、どうすれば良いのか
60代になってからマッチョを目指すことの良し悪しについては後述するとして、仮に「マッチョシニア」を目指すとすれば、どうすれば良いか説明します。
とはいえ、何か特別なことをする必要はないのです。ひたすら基本に忠実に「正しい運動・食事・休息」を心がけること、というのが答えになります。ただ、年齢を重ねるとその実行が若い頃より意外と難しくなっているので、そこをどうするか、という話になります。
特に、「食事」と「休息」。これは「運動(筋トレ)」よりも、年齢によるレベル低下を感じるポイントです。
意外なハードル「食事」と「休息」
筋肥大を目指すのであれば、筋トレも大事ですが、それよりも大事になるのが食事と休息です。
「マッチョ」になろうとすれば鍛えるだけでなく食事面で「消費カロリー<摂取カロリー」の状態にする必要があります。そうしなければ筋肉は増えません。筋肥大とは体の細胞を増やすことですから、材料となる栄養素とエネルギー(カロリー収支)がプラスである必要があるのです。
もっとも、脂肪分多めの食事をすればカロリー収支をプラスにすることは比較的簡単かと思いますが、それでは体脂肪が増えてしまい、マッチョを目指す大半の方の目的であろう「体型を整える」ことから離れてしまいます。
ですので、炭水化物とタンパク質を中心としてカロリー収支をプラスにする必要があります。しかし、食が細くなりがちなアラ還世代にはこれが結構なハードルになります。
炭水化物とタンパク質のカロリーは約4kcal /g、脂肪のカロリーは約9kcal /gですので、脂肪で摂取するカロリーを炭水化物やタンパク質で置き換えようとすると、単純計算して、倍の量を食べねばならなくなります。
また、筋トレを行うと、筋肉の分解と再生が起き、それは筋トレが終わった後も継続します。寝ている間に成長ホルモンが分泌され、体細胞の新陳代謝が活性化することで筋肉は成長しますので、筋肉の成長には十分かつ質の高い睡眠が必要になります。
しかし、加齢により睡眠は浅くなり、夜中にトイレに起きる回数も増えてきます。つまり、そもそも「質の高い睡眠をとる」こと自体が難しくなっているのです。
これらは、個人差があるものの、加齢に伴い共通的に見られる現象・症状であり、50代・60代の我々にとって避けては通れないハードルです。では、どうするか。以下、いくつか対応方法をご紹介します。
食事は和食中心にしてサプリメントを上手に使いましょう
摂取カロリーを増やす場合、増加部分はできれば脂肪分ではなく、炭水化物かタンパク質から摂取したいものです。日本は文化的に「ごはん」「そば・うどん」など低脂質・高炭水化物の食事を摂りやすい環境なので、摂取カロリーが足りない場合は、こういったメニューを中心にプロテイン等でタンパク質を補うようにすれば、余計な脂肪分を取らずに摂取カロリーを増やすことができます。
なお、間食でカロリーを補う場合は、洋菓子ではなく和菓子を選択するようにすればバターやクリームなどの脂肪分の摂取を抑えつつ摂取カロリーを稼ぐことができます。
食事についても、本来であれば「ご飯、魚、豆製品」のように和食でも「高タンパク+低脂肪なメニュー」を選択できればベストなのですが、毎食このような食事をすることは難しい時代でしょうから、そのような場合は上手にサプリメントを使うことをおすすめします。
プロテインの他、マルチビタミンなども有用です
食事管理と健康管理はしっかりと
個人差が大きい話になりますが、アラ還世代、特に60代ともなると、減量するときよりも増量するときのほうが食事管理には気を遣ったほうが良いかもしれません。
カロリー収支をプラスにするということは、言い方を変えると、わざと「食べ過ぎ」の状態をつくるわけです。
60代になると何かしら身体のどこかに不調を抱えている方も多いかと思います。内臓疾患や糖尿病予備軍の方など、カロリー収支や栄養バランスをコントロールする必要のある方は、筋肥大を狙って増量する場合、適切な食事管理を行うよう心がける必要があります。
増量・減量は慣れてしまえば、目算でもある程度の精度で管理できるようになりますが、慣れないうちは「あすけん」などの栄養管理アプリを使って食事管理することをおすすめします。
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睡眠の質を向上させましょう
これも個人差の大きい話ではありますが、最近ではスマホが睡眠の質低下に関わっているとの報道もよく目にします。以下のような点について改善が可能であれば見直すようにしましょう。
- 寝る直前にスマートフォンは見ない(特にショート動画は中毒性がありますね…)
- 寝る直前にストレッチ・運動・入浴など交感神経が活性化することをしない(就寝2時間前には済ませたい)
- 睡眠は可能なら7時間。最低6時間は確保。
筋トレは週3回、「重量」よりも「ボリューム」を重視
マッチョシニアを目指すなら、筋肥大を目的としたメニューを組む必要があります。
一般には「筋肥大をねらうなら6〜8回程度の繰り返しで限界になる負荷で行うと良い」と言われていますが、あんじょうとしては、怪我のリスクが増えるので60代の方にはこの強度はおすすめしません。
怪我のリスクを低減し、なおかつ筋肥大効果を得ようとするならば、「10〜12回程度が限界になる重さ」でセット数を多めに確保する方法が妥当だと思います。
具体的には、「胸」「背中」「脚」といった1部位について1日置きにトレーニングし、週あたりで15〜18セットできるようなメニューを組むことをおすすめします。つまり、1部位あたり、2種目×3セット×週3回(=1日置き)のような感じですね。
この方法ですと、1種目目の第1セットは12回ギリギリで限界まで、第2セットは10回で限界、第3セットは8〜9回で限界、となるかもしれませんが、それで結構です。また、2種目目は1種目目で筋肉が疲れていることを前提に、2種目目の第1セットで12回ギリギリ反復できる負荷を設定します。
なお、「マッチョ」ではなく、そこそこ「かっこいい体型」を目指す場合にどうすれば良いかを整理した記事も過去に書いておりますので、よろしければ、そちらも参照してください。
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(まとめ)マッチョシニアを目指すメリット・デメリット
いつまでも若々しい身体はあこがれですが、筋肉や骨以外の内臓(消化器や循環器等)も歳をとることを忘れてはいけません。ご紹介した方法は度がすぎると内臓に負担をかけます。
人によって「マッチョ」「ムキムキ」という言葉が示す程度には幅がありますが、これまで、本格的なトレーニング経験のない方が60代から筋トレを始めて、地域のボディビルコンテストに出るレベルになるには結構な努力と時間および金銭的な投資が必要かと思います。(注:出場条件がない大会でしたら、体型は関係ありませんが…)
若々しい身体は財産ですし、「貯筋」も大切ですが、「投資対効果」や「収支」はよく見極める必要があります。
どこかの記事で「筋肉のためなら死んでも良い」というフレーズを目にしたことがあり、個人的にはこれに同調できる部分もあるのですが、一般的にはそこまでやるのは考えものでしょう。
身体全体の健康があってこその「フィットネス」です。どの程度が自分にちょうど良いかを考えつつ、トレーニングを楽しみたいものです。
それでは、今回はこのへんで失礼します。お読みいただきありがとうございました。