AROUND60 FITNESS(ロクマルフィット)をご覧いただきありがとうございます! 筋トレ歴10年の副業ライターあんじょうです。
50代・60代の我々でも地道に筋トレを続けていると、挙上できる重量が増えたり、同じ重量でも反復できる回数が増えてきます。
この年齢になって「努力が身を結ぶ」という体験はそうそうあるものでもないので(?)、努力の手応えを感じることは筋トレを継続するモチベーションにもなるのですが、それが「どのくらいか」を皆さん知りたくはないでしょうか。
例えば、「重量40kgで10回反復できる」ようになって、その後徐々に重量設定を増やし、数ヶ月後に「重量50kgで9回反復できる」ようになったとして、この場合、筋力はどの程度向上したのか、といった話です。
本日は、こういった状況で共通的に使える指標値「RM」についてご紹介したいと思います。
骨子は以下のとおりです。
- RM(Repetition Maximum)とは筋トレにおける「最大挙上重量」を意味する。
- RMの具体的な計算方法や換算方法を知れば、自分の成長度合いが定量的に把握できて、モチベーションアップにつながる。
- モチベーションアップ以外に、知識として知っておくことで、トレーニングのバリエーション(回数・重量設定)を広げる際に役立つ。
それでは、参りましょう。
RMとは?
ネット上で筋トレ関連の記事を読んだり、フィットネスジムでトレーナーさんと会話した際に「RM(アール・エム)」という単位を見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。
「RM」は「Repetition Maximum(レペティション・マキシマム)」の略で、筋トレにおける「最大挙上重量」を意味します。
例えば、「1RM」と言えば「1回挙上するのが精一杯の重量(=2回、3回と反復して挙上できない)」を意味します。
「5RM」と言えば「5回挙上したところで限界がくる重量」ですね
フィットネスジムなどでメニューを組む場合、トレーナーさんから「この種目は、1RMの70%〜80%くらいの負荷で10回×3セット頑張ってもらって…」のような説明をしてくれると思います。
これは、言い換えると「8回〜12回で限界がくるような重量設定で10回×3セット…」という意味なのですが、言葉に慣れていない方にとっては
え?1RMって何?重さのこと?それの70%って何kg??
となるかもしれません。
このRMという単位、もちろん覚えなくとも筋トレはできるのですが、覚えておくと何かと役に立ちますので、この記事を読んでいただき、日々のトレーニングに使っていただければと思います。
RMの計算方法
RMは計算によって求めらます。具体的には以下の計算式を使って求めます。
1RM=重量×回数÷40+重量
この式を使えば、個々のトレーニング種目における自分の最大挙上重量(1RM)が幾らか、ということを知ることができるのですが、これを知ることにどんなメリットがあるのか、どう使えば良いのかは、次の項で説明させていただきます。
RMを知ると何が良いのか?
RMの算定方法を知ることにより、以下のようなメリットがあります。
違う重量・回数の結果を比較できる
筋トレを続けていると、自分の筋肉が成長しているのかどうか、が気になってきます。こういうときに、(同じマシン・同じ種目という前提ですが)RMに換算すれば違う重量・違う回数の結果を比較することができます。
以下、詳しくみていきましょう。
毎回、ひとつの種目を同じ重量で繰り返していると、次第に挙上(動作)できる回数が増えてきます。しかし、筋トレは「漸進的負荷」をかけることによって筋肉が発達しているという原則に則ると、通常は(トレーナーが指導してくれているなら)、回数がこなせるようになってきたら、重量を増やしていくのがセオリーです。
しかし、重量を漸進的に増やしていくと「先月は重量50kgのウェイトを12回挙上できたのに、今月から重量を上げて55kgにしたら、最初は7回で限界、2週間たっても10回しか上がらない…。これって、成長しているのか、していないのか?」ということになります。 気になるなら、試しに現時点で重量50kgで何回できるかチェックしてみたら良いのですが、RMに換算するともっと簡単です。
先ほどお示しした「1RM=重量×回数÷40+重量」という式を使ってみましょう。
以前は50kgのウェイトで12回挙上できたので、
1RM = 50kg×12回÷40+50kg = 65kg
となり、当時の最大挙上重量は65kgだったことがわかります。
その後、ウェイトを増やして55kgの重量で10回挙上できるようになったとすれば、
1RM = 55kg×10回÷40+55kg = 68.75kg
となり、最大挙上重量は68.75kgで、「以前より最大で3.75kg(=68.75kg−65kg)重たいものが持てるようになった」ということが計算上わかります。
重量と回数の組み合わせを適切に設定できる
筋トレにおいて負荷(重量)と回数を設定する際の考え方として、「高重量を低回数」で行うパターンと「低重量を高回数」行うパターンがあります。
双方にメリット・デメリットがあるので「どちらか片方が優れている」というものではなく、双方をうまく組み合わせてメニューを作っていくことが大切です。
この際、ありがちなのが、低重量を高回数で行う際に、回数設定あるいは重量設定を誤り、負荷を軽く設定してしまったが故に筋肉に十分刺激が与えられない、という状態です。
「低回数」や「高回数」という表現は曖昧で、具体的に何回を指すのかは、人によって異なるようですが、ここでは、「低回数=4回〜7回未満」、「高回数=13回以上〜20回程度まで」を想定しています。
高回数こなそうとすると、ある程度重量を軽くしたとしても12〜13回を超えるあたりから筋肉に焼け付くような痛みが生じ、辛くなってきます。そして筋力が限界を迎える前に精神力(←辛さに耐えるという意味で)に限界が来て、動作を止めてしまうケースがありがちです。
「限界まで反復する」と言っても、筋力の限界でなく、精神力の限界で止まってしまうんですね
しかも、この時本人は「筋肉は動くが、精神的に辛いから限界を感じている」と自覚していることは稀で、通常は「もう挙がらない、筋肉が限界だ」と感じます。
こうなると筋肉は発達しません。そういった状況を避けるためにRMの計算式は使えます。
例えば、ショルダープレスを「20kgのダンベルで8回できる」場合、重量を16kgに落として高回数するには何回が適切かを算定すると、
1RM= 20kg×8回/40+20kg = 24kg = 16kg×(X回)/40+16kg となり、
X回=20回
つまり、20kgのダンベルで8回反復できるなら、16kgのダンベルなら計算上20回はできるはず、ということになります。
こういう計算結果を知っていれば、10〜15回あたりで筋肉が熱くなり、パンパンに張って痛くなっても「20回はできるはずだ!」と自分を鼓舞したり、自分を追い込む意識づけが可能になります。
フィットネスジム、特にパーソナルトレーニングのジムなどで細かく指導を受けられる場合は、このようなことはトレーナーが考えてメニューを組んでくれますが、自分でメニュー(種目だけでなく、重量や回数、セット数の設定も含む)を考える場合は、この知識を持っておくだけで、メニュー作りに幅がでます。
RMを計測してみよう
実際に、自分自身の「1RM」を知るためには実際にマシンやフリーウェイトで計測するしかありません。ここでは、計測する前に知っておいていただきたいこと、および計測のコツについて説明します。
マシンでの結果は他人と比較できない
マシンの場合、ウェイトに接続されたケーブルだけでなく、滑車や梃子(テコ)を使って稼働しているため、マシンのウェイトの設定は「50kg」であっても、押したり・引いたりする際の力が50kgのバーベルと同じかというと、そうは言い切れません。また、フリーウェイトとの比較だけでなく、各マシンメーカーによっても、ウェイトの設定と実際の負荷の大きさは異なります。
そのため、例えば同じ「チェストプレスマシン」という名称のマシンであっても、メーカーが違えば結果は比較できません。マシンでRMを計測する場合は、あくまでも、「そのマシンで行われた過去の自分の記録」と比較するための指標とするに留めましょう。
フリーウェイトなら他人と比較できる
自分の最大挙上重量を他人と比較したい場合は、他人と条件が同じになるよう「フリーウェイト種目でのRM」を計測するようにしましょう。フリーウェイトの場合、基本的に負荷はダンベルやバーベルなどのウェイトそのものですので、概ね横並びで他者との比較が可能です。
1RMを計測する際は、補助者がいない限りは直接1RM(1回挙上がギリギリ)を試すのではなく、8回程度で限界を迎える重量を目安にして、複数回試していただく方法をお勧めします。
実際には「8回」を狙っても結果は「10回」になったり、「6回」になったりするものですが、その結果を使って、1RMを計算するようにしましょう。また、簡便な方法としてはRM換算表使う方法もあります。
あんじょうの個人的なおすすめは、初日に「8RM狙いで最大回数を計測」、数日後に「10RM狙いで最大回数を計測」し、それぞれの値で計算した「1RM」の平均をとる、というやり方です。
まとめ
以上、RMを知ることの意義と測定方法および活用方法についてご説明させていただきました。
一言でまとめると、
「RM」の算定方法を知っておくと、筋トレのモチベーションが上がるだけでなく、メニュー考案にも有意義
ということになります。
ただ、こういった「計算して結果を記録していく」ことや「細かなメニュー作り」は苦手だという方も一定数いらっしゃると思います。そういった方はフィットネスジムでパーソナルトレーナーに付いてもらいサポートを受けるのも一つの案です。以下に関連記事のリンクを付けていますので、よろしければご覧ください。
それでは今回はこのへんで失礼します。お読みいただきありがとうございました。
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