50代•60代のアラ還世代が毎日筋トレすると危険?適切なトレーニング頻度は?

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はじめに

 ROUND60 FITNESS(ロクマルフィット)をご覧いただきありがとうございます。筋トレ歴10年のライターあんじょうです。

 この記事では「アラ還世代が筋トレする場合、どのくらいの頻度で行うのが効果的か」についてお話したいと思います。

 最後までお読みいただければ、適切なトレーニング頻度とその理由についてご理解いただけると思います。それでは、本日もお付き合いください。

世間では、どう言われているか

 Googleで「筋トレ 頻度」と検索すると、上位に表示される記事は大きく「週2〜3回が適切」と書いている記事と「毎日でもOK」と書かれている記事とに分かれるように思います。これはどちらが正しいのでしょう。

 それぞれの説明を要約すると、以下のように整理できそうです。

「週2〜3回」派筋肉は筋トレで傷付き、それが回復する過程で強く成長する。そのため回復のための期間が必要。毎日筋トレすると回復が追いつかず、逆効果。怪我や筋肉を減らす原因になったりする可能性。
「毎日」派筋トレは習慣化が大事。強い負荷をかけず、短時間でも毎日取り組めば、疲れない。毎日運動することでカロリー消費にも繋がる。
「週2〜3回」派と「毎日」派の説明要旨(主観)

 実際には各記事で細かい主張は異なるので、あくまでも私の主観ですが、「週2〜3回」は筋トレで体を鍛える派、「毎日」は筋トレでダイエットする派、のように感じました。

 ちなみに、「毎日」派の中には、怪我のリスクも考慮に入れながら、過負荷を与えることにより爆発的に筋肉量を増大させる「細胞核オーバーロード」という手法を論拠にしているものもありました。いわゆる「筋トレガチ勢」の方の理論ですね。

 私も試したことがありまして、それなりに効果があるようには感じたものの、部位への負担が強すぎて途中で断念しました。元々長期間取り組む手法ではありませんし、アラ還になってからチャレンジするにはリスクが大きいので、この記事では割愛します。もし、ご興味のある方は以下をご覧ください。

 話を元に戻します。先ほど「週2〜3回」派と「毎日」派では筋トレの目的が違うのではないか、と書きました。すなわち「体を鍛える(=筋肉をつける)」目的なのか「ダイエット(=脂肪を減らす)」目的なのかが違う、ということです。

 ここで気になったのは「ダイエット目的」のほうです。正確に情報発信している記事も多くありましたが、誤った・誤解されそうな情報を載せている記事もいくつか見かけました。特に女性向けの記事に不正確なものが多かったように思います。

 正直に言えば、「ダイエットには筋トレが効果的」だと思うものの「筋トレによって痩せる」かといえば答えはNOだと思うのです。痩せるためには、カロリーを消費する必要がありますが、筋トレの時間あたりカロリー消費量は、ウォーキングや水泳に劣ります。

ダイエットに筋トレが効果的だと言われるのは、ダイエットによるカロリー制限で筋肉まで落としてしまって体型が崩れるのを防ぐためであり、「ダイエット=美しい・格好いい体型をつくる」という目的達成に近道だからです。いわゆる脂肪燃焼を筋トレに期待すると期待外れに終わってしまいます。

 次項から筋トレ頻度の話を掘り下げていきますが、その前に、今回は「筋力・筋肉量を増進させる」もしくは「ダイエット中でも筋肉量を維持する(スタイルを崩さない)」を目的として筋トレを行うことを前提にしたお話だということをご了承ください。

 いわゆる「筋トレ」にも種類がありまして、種類によってはカロリー消費を期待できるものもあるのですが…。それはまた別の機会にご紹介したいと思います。

  • 筋トレの頻度は「週2〜3回」説と「毎日」説が主流。
  • 「毎日」説の中には、筋トレを毎日やることでカロリーを消費して痩せると主張している記事もあるが、これは若干的外れ。
  • この記事では「筋力・筋肉量を増進させる」「ダイエット中でも筋肉量を落とさない」ための筋トレの頻度についてお話させてもらいます。

適切な「頻度」は筋トレの目的や内容で変わる

 「筋トレの頻度」の話をする前に、例え話として「お菓子を食べすぎて太る」話をしたいと思います。

例えば、1週間のうち2日〜3日お菓子を食べる日を設けた場合と、毎日お菓子を食べた場合、どちらが太ってしまうでしょうか?

「毎日お菓子を食べた場合」…と言いそうになったけど、1日あたりに食べる量にもよるのではないですか?

そのとおりですね。例えば毎日ポテトチップスを「1日あたり1つまみ」だけ食べる場合と、週に3回、ポテトチップスを「1日あたり1袋」食べてしまう場合では、「週に3回」のほうが摂取カロリーは多くなって、太ってしまいそうですね。

つまり、太るか太らないかは、頻度だけでは判断できず、1回あたりの内容(ここではカロリー)次第のところがある、ということですね。

これと同じことが筋トレにも当てはまります。

頻度とセットで考えないといけないのは、「どの部位を対象にして」「どの程度の強度で」やるのか、です

 次の項では、そこを説明していきたいと思います。

「どの部位を対象にして」「どの程度の強度で」週に何回筋トレするのか

筋トレで筋肉が成長する「仕組み」

 はじめに、筋トレで筋肉が成長する仕組みについて説明します。実は、筋肥大や筋力増加には色々と複雑な理論があるのですが、便宜上、下記では初級者向けに昔から一般的に言われている理論をご紹介します。

筋トレ初心者の方にはとっつきにくい「筋合成・分解のメカニズム」や「エネルギー回路」「総ボリューム理論」などの話は、機会があれば別の記事で触れたいと思います。

 腕立て伏せを例にしてお話します。

 最初の1回目は無理なく腕の曲げ伸ばしができていても、5回、6回…と繰り返すうちにだんだんと伸ばすのがきつくなり、最後には体を持ち上げられなくなります。これは筋肉が疲労して本来持っている力が出せなくなるからです。

こうして力の出なくなった筋肉は、筋繊維のレベルで細かく傷ついているのですが、十分な休息と栄養を摂ることで、傷ついた筋繊維が補強され与えられた負荷に耐えられるよう強く・太くなります。この体のメカニズムは「超回復」と呼ばれ、この説のことは「超回復理論」と呼ばれています。

このメカニズムでは「程度」「頻度」が非常に重要な意味を持ちます。

 まず、筋肉をしっかり疲労させないと、筋肉は「超(=現状を超える)」回復をしてくれません。つまり強度の弱い筋トレをしていても、筋肉は成長しない(ダイエット中であれば、筋肉を維持できない)のです。

 また、一旦現状以上に「超回復」したとしても、その後筋トレ等の刺激がなければ、一旦強化された筋肉も元の状態に戻ってしまいます。つまり筋トレの強度が十分であっても頻度が少なければ筋肉は成長しないのです。

 さらに、回復する前に次の刺激を与えてやると、筋肉は強くなることができず、疲労とともに次第に筋肉が弱っていく、ということになります。つまり、筋トレの強度と頻度が過剰だと逆に筋肉を落としてしまう、ということです。

まとめると下図のようになります。

つまり、筋肉の成長には、適度な強度の筋トレを適度な頻度で行うことが大切だ、ということです。

 一般に筋肉が疲労してから回復するまでには48時間〜72時間必要と言われています。つまり、中1日〜2日の休息が必要ということです。「筋トレの頻度は週2日(中2日休息の場合)〜週3日(中1日休息の場合)が適切」と言われているののは、こういう背景があるのです。

 ただし、これは、「胸」とか「脚」といった一部位あたりの頻度と強度の話です。つまり、今日、胸の筋トレを行い、翌日は脚の筋トレを行う、といった場合は連日実施しても肉体的には何の問題もありません。

連日行うことが精神的な疲労に繋がる可能性もあるので、そこは考慮する必要があります。

「部位」も考慮した組み合わせパターン

 前項で「適度な強度の筋トレを適度な頻度で行うことが必要」と書きましたが、ここに「部位(=どの筋肉に)」を付け加えると、「筋力・筋肉量を増進させる」あるいは「ダイエット中でも筋肉量を落とさない」ための筋トレとしては、概ね以下の2パターンが妥当である、ということになるかと思います。

パターン強度頻度部位特徴
適度な強さ週2〜3日1日で全身を鍛える・トレーニング1回あたりの時間がかかる
・オフの日があるので緩急がつく
適度な強さほぼ毎日日毎に変える・トレーニング1回あたりの時間は少ない
・筋トレを習慣化させやすい
筋トレの頻度と強度その他との組み合わせパターン

注:ここで「適度な強さ」というのは、「10回から12回ぎりぎりできる重量・負荷で3セット。3セット目は10回できずに7〜8回で力尽きる」くらいの強さをイメージしています。

 50代・60代になると関節や腱が硬くなったり、新陳代謝が低下することで疲労回復にも時間がかかるようになります。この点を考慮すると50代・60代のアラ還世代には「しっかり鍛えたあとはしっかり休む」ことのできるパターン1がおすすめ、ということになります

 ただし、筋トレは長期間にわたって取り組むものであり、自分の性格やライフスタイルに合わないパターンで取り組んでも長続きしません。例えば「毎日やって習慣化しないと、一度休むと続ける自信がない」や「仕事の都合上、まとまった時間がとれない」ということであればパターン2、あるいはパターン1と2の組み合わせでも良いかと思います。

 要は、自分にとって長期間続けることのできるパターンを選んでいただければ良い、ということです。

一例として、初心者が自宅で自重トレーニングを行う場合のメニュー例を載せておきます。上記のパターン1、2を混ぜたような構成としております。ご参考までにご覧ください。

曜日部位種目
上半身の日月曜・木曜胸・背中・プッシュアップ
・バックエクステンション
下半身の日火曜・金曜・バックランジ
・カーフレイズ
初心者が自宅で自重トレーニングを行う場合のメニュー例(水曜日・土日はオフのパターン)

参考:公的機関の見解(厚生労働省ガイドライン)

・2023年11月27日に厚生労働省が「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を公表しています。発表当時、新聞記事にもなりましたが、このガイドの中で「週2〜3日の筋力トレーニングを行うことで健康増進効果が確認された」として定期的な筋トレを勧める内容となっています。

ここだけを切り取って読むと、「週2〜3日以外はダメなのか?毎日やってはダメなのか?」と思ってしまいかねませんが、このガイドの中で「週2〜3日の実施を推奨する根拠」としては以下のように紹介されており、毎日実施することが不適切という話ではなさそうです。

(健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023:厚生労働省 から引用・抜粋)
運動器に対する健康増進効果が確認された前述のレ ビュー1),2)において、その情報源となったランダム化比較 試験では、週2~3日の運動プログラムが最も多く採用 されていました。従って、筋トレを週2~3日実施する ことで、そうした健康増進効果が得られることが期待で きると考えられます。 

つまり、効果が検証された実験が「週2から3回の運動プログラムを採用」していたからであり、週1回の運動プログラムや週7回の運動プログラムの効果については、言及していないようです。

まとめ

 以上、今回は「アラ還世代が筋トレする場合、どのくらいの頻度で行うのが効果的か」を中心に説明させていただきました。

 適切な強度と頻度で自分のペースで続けることが何よりも大切ですが、性格的なものでなかなか自分だけでは守ることができない、という方もいらっしゃるかもしれません。そういう場合はトレーナーが常駐するスポーツジムに通われることをおすすめします。近くに良いジムがない等の事情がある方もいらっしゃるでしょうが、最近はジムに通わなくとも、オンラインのパーソナルトレーニングなどもありますので、そういったものをご検討いただくのも良いかもしれません

 それでは、本日はこの辺で失礼します。最後までお読みいただきありがとうございました。

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