AROUND60 FITNESS(ロクマルフィット)をご覧いただきありがとうございます! 筋トレ歴10年の副業ライターあんじょうです。
あんじょうは筋トレを本格的に始めた40代後半からYouTubeで筋トレ関連のチャネルを視聴しています。当時は「筋トレYouTuber」という括りもなかったように思いますが、当時と比べると、現在は多数の「筋トレYouTuber」が活躍され、筋トレの情報が簡単に入手しやすくなりました。
いえ、むしろ「入手しやすい」を通り越して、「情報が溢れて」しまっており、初心者の方にとっては何を信じたら良いのかわからない、という状態になっているように思います。
本日はそんな現状について取り上げ、筋トレ初心者の方にとっての「YouTubeからの情報収集方法」について書かせていただきたいと思います。本日もよろしくお願いします。
YouTubeにおける「筋トレ」ジャンルの隆盛
YouTubeにおける筋トレコンテンツの変遷(あんじょう個人の印象)
YouTubeで「筋トレ」がジャンルとしてメジャーになったのは、コロナ禍前後からだったように感じます。外出を控えなければならない状況の下、運動不足解消のために自宅で取り組める筋トレなどに目が行った…ということでしょう。
もともと「筋トレのやり方」のように具体的な動作や姿勢の留意点、身体の状態(どこに力が入っているか等)を解説するのに図や静止画では限界がありました。そういう点で、「筋トレ」は動画と相性が良かったのでしょう。この10年でYouTubeにおける筋トレコンテンツと、筋トレYouTuberさんの数は急速に増えたように思います。
現在でも多数投稿され増え続ける筋トレ関連コンテンツですが、ジャンルとしての成長(テーマの広がり、内容の多様化)はコロナ禍あたりがピークだったように感じます。
以下、あんじょうの個人的な印象ではありますが、YouTubeの筋トレコンテンツの変遷を概観してみたいと思います。
黎明期:筋トレノウハウの個人発信(2010年以前)
細かく調べられていないのですが、記憶にある限りでは、「筋トレYouTuber」の元祖は「sexyfitness(ユウジ)」さんや「katochan33」さんやあたりではないかと思います。この記事を書くにあたり改めてお二人のプロフィールを拝見しましたが、それぞれ2007年,2008年からYouTubeを続けていらっしゃいます。
このようなトレーナー・選手として活躍される方が筋トレのノウハウを発信し始めたのが、YouTubeにおける「筋トレ」ジャンルの始まりではないかと思います。(注:以下記事リンクは外部サイトにリンクしています)
ジャンル確立期:筋トレのエンタメ化(2010年代前半〜中頃)
その後、2010年代に入り、エンタメ色の強いチャレンジもの(腹筋ローラーをXXX回やる等)や、YouTuber本人のトレーニング記録・活動記録(いわゆるVlog的なもの)が増えてきます。「ノウハウを学ぶ・情報を入手する」という目的から「YouTuber自身の活動を視聴して楽しむ」…つまり、筋トレジャンルが「情報収集コンテンツ」から「エンターテイメント」に広がりを見せた時期だったと感じています。
あんじょうは当時、サイヤマングレートさんやJINさん、ぷろたんさん、山澤礼明さんの動画をよく拝見していました。(注:以下記事リンクは外部サイトにリンクしています)
ビジネス化期:「案件」動画の増加・企業の参入(2010年代後半〜2020年代初)
この頃になると、YouTubeのメディアとしての地位が確立し、有名YouTuberがインフルエンサーとして様々な業種のサービス・製品とタイアップしたり、YouTuber自身で事業を始められる方が増えてきます。筋トレジャンルでも同様で、このあたりからアパレルやプロテインの案件動画が増えてきたように記憶しています。
また、「元々、TVや雑誌・書籍等の別メディアで有名だった方・著名人」が企業とタイアップしYouTubeに参入したのもこの時期からだったのではないでしょうか。元々情報発信力のある方が登場し、動画のクオリティが高いこともあり、短期間で多くのフォロワーを獲得されるチャネルもいくつかありました。
加えて、企業自身が直接自社サービス・製品の認知度を高めるためにチャネルを解説して情報発信を始めるケースが増えてきたのもこの時期からだったのではないかと思います。(注:以下記事リンクは外部サイトにリンクしています)
成熟・飽和期:集客のための多様化・差別化からくる混沌(2020年代〜)
2010年代の終わり頃から大学の論文などをもとにした「エビデンス」記事がブームになります。また、有名YouTuberが推す「XX理論」が乱立することで筋トレ界隈が盛り上がる(=論争動画が多数作られる)など、メディアとして盛り上がるのは良いのですが、情報の真偽という意味では「何が本当なのか?」と視聴者が戸惑うような状況が発生しました。
一例を挙げると「EAAとBCAA、どちらを飲むべきか」「オーバーワークはあるのか、ないのか」「身体を大きくするには高重量は必須か、否か」「横川理論と山本理論」といった類の話です。
また、「筋トレ」周辺のテーマだけで目新しい情報を発信し続けるにも限界があり、新規参入されたYouTuberさんの発信コンテンツはどうしても古株のYouTuberさんのコンテンツと被るところがでてきます。
「少しだけ変えて、似たような情報を扱う」パターンが増え、これがさらに情報の真偽・精度の面でわかりにくさを助長する結果になっているのかもしれません。
考えてみれば、当サイトもそういう「後から参入して、既存サイトと似たような情報を発信している」類の一つだと思います…。(墓穴を掘りました)
YouTube上にある情報は、そもそも無整理状態
古い情報も新しい情報も同時に閲覧できるのがYouTube
YouTubeには、古い情報も新しい情報も「地層」のように折り重なって蓄積されていきます。
おすすめ動画として表示されるものは、ある程度最新のものが優先されている傾向があると感じられますが、最近投稿された情報に混じって数年前の情報が表示されることもあり、これら時系列のあるものを過去経緯など知らずに同時に読み比べると混乱するかもしれません。
YouTubeの情報には閲覧数を稼ぐための表現が多数
当サイトも自省しなければなりませんが、ブログ(オウンドメディア)であれYouTubeであれ、読者・視聴者に観てもらわねば目的を果たせませんので、当然、観てもらうための工夫をしています。
他チャンネルと大して違うことを言っているわけではないのに、さも目新しいことを言っているようなサムネやキャッチコピーを付けてみたり、多数ある学説のひとつに過ぎない論文を、さも新発見のように取り上げてみたり…といった具合です。
これらは、チャンネル運営上許容される範囲で行われているとは思いますが、情報を取捨選択するのに慣れていない方にとっては、「結局、何が正しいのか?」と混乱する状況であるとも思います。
「情報の取捨選択」に慣れていない50代・60代の「アラ還世代」はご注意を
生まれた頃からインターネットが身近にあった「インターネットネイティブ」世代(30代より若い方)はこのような情報の取捨選択に慣れているように思いますが、我々50代・60代のアラ還世代は、いわゆる「TV世代」です。
TVのようにメディア側で情報を精査してから(それを「偏向」と呼ぶ人もいますが)発信するメディアに接するのと同じようにネット上の情報に触れると、わけがわからなくなるかもしれません。
昔から言われていることではありますが、インターネット上の情報を参照する際は、玉石混交であることを前提に、自分なりの視点に立って情報を取捨選択するように注意いただくことが肝要だと思います。
YouTube動画参照のコツ
「内容が正しいとは限らない」「正解は一つではない」が大前提
そもそも、企業が組織的に正確性を担保した情報も、個人の偏った見解も同じトーンで発信されるのがインターネットの特徴です。情報の正誤は自分で見抜くしかありません。
そうだと理解しているからこそ「一体、どれが正しいのか」と悩むことになるのですが…。
見抜くコツとしては、やはり「どの主張が多数派か」「権威のある情報源か」「科学的か、理屈に合っているか」といったチェックを行うことでしょう。
もっとも、多数派だから、有名人が言っていることだから…というのは最近は当てにならないことも多いので、理想をいえば、学生の頃に学んだ物理や生物学(生理学)の知識を思い出して、それらと不整合がないかを確認する、ということでしょうか。
一例でいえば、「このXX運動だけで1週間でX kg減!」といった内容は、物理的に無理があると気づきましょう…といったことです。
加えて言えば、筋トレやダイエットに関する情報というのは、原理原則に近い部分を除いた「枝葉」の部分については、個々人にとって向き不向きがあったり、効果に個人差が出るものが多いように思います。
筋トレについては、体格や骨格によって同じ種目によっても動作する際の姿勢や注意ポイントは異なってきますし、身体の反応も変わってきます。身体・関節の柔軟性次第で下手をすれば動画の言うとおりにすると怪我につながる危険性もあります。
例えば、ある人にとっては肩のトレーニングとして「アップライトロウ」が効果的だったとしても、他の人にとってはケガをしやすい避けたほうが良い種目だったりする…というケースなどです。
ダイエット法についても、食事だけでなく日頃の生活パターンや運動量によって効果の出方は違ってきます。そういったことを踏まえ、「正しい・正しくない」とは別に「自分に合うか・合わないか」も含めて、情報を見極めることが大切だと思います。
広告は広告と認識して接しましょう
当サイトもGoogleアドセンスやアフェリエイトの広告を掲示させていただいておりますし、記事によってはPR中心のものもあります。
これは多くのWebサイトやYouTubeチャンネルも同様の状況でしょう。
当サイトの場合、広告記事であったとしても、不誠実な説明をしているつもりは毛頭ありませんが、当然、宣伝ですから記事には特定の商品の良いところを並べるわけです。しかし、その「良いところ」が読者にとって「どの程度」良いかは個々人により差があるものになります。
例えば、「プロテインAとプロテインBでは、プロテインBの方が、ビタミン・ミネラル類が配合されているから、優れている!」と宣伝で謳っていたとしても、読者が普段から十分ビタミンを摂取されているのであれば、プロテインBの特徴は当該読者にとって「メリット」ではないわけです。
つまり、有名人が宣伝しているから、企業サイトなど権威性の高い媒体の情報だから…といったことで内容を盲信するのではなく、宣伝されている内容、メリットとして謳われている事項が自分にとってどの程度有益かを考えることが大切だということです。
自分のパーソナリティにあったチャンネルを探しましょう
前述のようにYouTubeの「筋トレ」ジャンルは成熟期に到達しており、発信すべきテーマとしては概ね出尽くした感があります。
無論、エンタメ系や時事系の情報はその時々の状況がそのまま素材になるため基本的に「出尽くす」ということはないのでしょうが、当該ジャンルの主なコンテンツである、筋トレやダイエットの「方法」や「テクニック」については、基本的な物理学的・生物学的法則が覆ることがない限りは、一通り説明仕切った後は「昔とまったく違ったことを言う」のは難しくなります。
定期発刊の雑誌などであれば、何年か周期で同じような内容の特集記事を組んだとしても、古い記事のことなど読者は忘れているかもしれません。しかし、インターネット上の情報はそうはいきません。検索一度で古い情報も新しい情報もまとめて表示されてしまいます。つまり、「どれもこれも似たようなことを言っている」状態になるわけです。
そういう状況の中、「似たような情報ばかり」にならないよう、最近はより視聴者層を細分化し、その視聴者層に訴求力の高い情報に絞り、情報発信するチャンネルが増えているように思います。
例えば「熟年女性でトレーニング未経験の方向け」とか「コンテストに出るようなレベルの男性向け」などです。
それゆえ、当該のチャンネルがどの視聴者層を意識してコンテンツを作っているかを見極めないと、満足する情報が得られないばかりか最悪の場合、ケガ等につながってしまいます。
例えば、トレーニング初心者の熟年女性をターゲットにしたフィットネスのチャンネルで、TVにも出演されている大学の先生が軽いウェイト(ペットボトル等)で筋トレの動作を実演し「これで、十分効果があります!」と仰ったとしても、運動経験のある青年男性では物足りない内容になるでしょう。
逆に、ご自身がボディビルやフィジークのコンテストに出ているYouTuberさんが、ご自身が実践している超高重量のネガティブトレーニングを紹介して「これ、効果あるから皆さんもやってみて!」と言ったとしても、アラ還の筋トレ初心者には厳しい(ケガをしかねない)内容であることもあり得ます。
ダイエットで言えば、「ケトン体ダイエット」などが良い例でしょう。
一時期、ボディビルやフィジークのコンテストに出場されるYouTuberさんが低糖質を徹底して脂質をエネルギーとして消費する「ケトン体ダイエット」を実践される動画を多数紹介されていた時期があります。これは確かに効果はあるのでしょうが、あくまでも専門的なトレーナーの指導を受けて、なおかつ筋トレ中心の生活をされているから実現可能なことであり、日常生活の諸々を考慮すると、これらを一般の人が真似することは避けた方が良い内容であったと思います(集中力低下・イライラ等日常生活上支障のある副作用が懸念されます)。
このようなことを踏まえ、自分の性別・年齢・運動経験・情報収集の目的と、YouTubeチャンネルの視聴者層が合致するチャンネルを探して、その情報を参考にするようにしていただければと思います。
まとめ:「正しい知識」に多く触れ、目と耳を肥やすことが大事
以上、YouTubeで「筋トレ」ジャンルの情報を収集する際に注意すべきことについてお話させていただきました。
「最近筋トレ始めたばかり」という方は、ノウハウを知りたくて色々と動画を調べる機会も多いと思いますので、参考にしていただければ幸いです。それでは、本日はこれで失礼します。
最後までお読みいただきありがとうございました。