はじめに
AROUND60 FITNESS(ロクマルフィット)をご覧いただきありがとうございます! 筋トレ歴10年の副業ライターあんじょうです。
皆さんの中に習慣的に筋トレをしているのに首や肩のあたりにコリを感じている方はいませんか。そんな方は「運動しているのに何故?」「筋肉痛ならともかく、なぜコリが取れないのか?」と思っていらっしゃるでしょうね。本日はそんな方に試していただきたいことをご紹介します。
実は筋トレ自体がコリの可能性になっている可能性があるのです。最後までお読みいただければ、首や肩のコリが解消するかもしれません。では、本日もお付き合いください。
筋トレで首や肩・背中がこる可能性について
首・肩・背中のコリ・痛みといえば、デスクワークなどで同じ姿勢を長時間続けたことが原因でなるイメージがあります。それだけに、筋トレをしてもコリが解消しなかったり、筋トレした翌日にコリを感じると「筋トレで体を動かしているのになぜ?」と疑問に思うことになります。
しかし、筋トレは鍛える対象以外の筋肉を固定して動作する都合上、気をつけないと思わぬ部位に不自然な力が加わっている場合があります。また、筋トレで筋肉を鍛えた結果、体のバランスが変化しそれがコリにつながることも考えられます。
以下、チェックしてみましょう。
チェック1:筋トレ対象部位以外に不自然な力が入っていないか?
胸の種目(ベンチプレスやチェストプレスなど)
背もたれやベンチに背中を押し付けて「押す」動作を行う種目が該当します。
これらの種目は負荷を胸の筋肉に載せ、肩に無理な負担がかからないようにするため、「肩甲骨を下制した」姿勢を取るように言われることが多くあります。「肩甲骨を下制」というとややこしいでしょうが、要は「鳩尾あたりを上につきあげた(胸を張った)」「背中上部(胸椎)を反らしてアーチを描くようにした」姿勢です。
余計にややこしいかも・・
この姿勢を取る際、ついつい、後頭部から首も反らしてしまい、首でブリッジをするような状態で動作を行う方がいます。こうすると後頭部から首にかけて不要な負担がかかり、コリや痛みにつながってしまいます。
コリですめば良いのですが、場合によっては筋や首関節を痛めてしまいますので気をつけねばなりません。
肩の種目(ショルダープレス・サイドレイズなど)
おもに三角筋を鍛える種目としてショルダープレスやサイドレイズが挙げられると思います。
これらの種目の場合、肩関節の位置はできるだけ動かさず動作することがコツなのですが、ついつい適正より重めの負荷で行ってしまい動作が乱れる場合があります。具体的には、無理に動作しようとして三角筋と連動する僧帽筋まで使ってしまうパターンです。「肩の関節を動かさず、肩関節の位置を動かしてしまう=肩をすくめてしまう」状態ですね。
こうなると動作しても三角筋の刺激が逃げて不必要に僧帽筋や首周りの筋肉を緊張させてしまいます。首周りの筋肉は小さいのですぐ固まってしまい、痛みを感じることになります。
特に、三角筋中部は「羽状筋」という分類の筋肉で、大きな力が出て持久力もある性質ですので、十分な負荷を与え筋肉を発達させるには、大きめの負荷で多めのセットをこなす必要があります。また、男性であれば逆三角形の体型をつくるために集中的に鍛えている方も多いかもしれません。その熱心さがコリにつながっている可能性はあります。
体幹の種目(クランチ、レッグレイズなど腹筋を鍛える場合)
トレーニングの際に、両手を頭の後ろで組んで首を載せる形で動作していないでしょうか。回数をこなしていくうちに、しんどくなり、ついつい組んだ手に力が入り首を押す形になってしまうケースがあります。これは首の筋肉や関節を痛める原因になります。
チェック2:体の前面を鍛える種目ばかりやっていないか?
上半身の筋トレといえば、自重トレーニングなら腕立て伏せ、フリーウェイトトレーニングならベンチプレスを思い浮かべる方も多いかと思います。男性なら「たくましい胸」を目指したくなるでしょうし、女性も「バストアップに効果がある」ときけばつい熱心になってしまうかもしれません。
また、自宅でトレーニングされる方の場合、「手軽にできる上半身のトレーニング」といえば、腕立て伏せや腹筋運動がメインになってしまいがちで、気がつけば自然と体の前面ばかり鍛えている、という状態かもしれません。
実は自宅で自重トレーニングを行う場合、体の裏側(=背中)を手軽に鍛える種目というのが意外と少ないのです
このような状況で筋トレを続けていると、胸や肩前部の筋肉が発達し、背中側の筋肉はそれほど発達していない、ということになります。そうなると、骨格が体の前面に引っ張られてしまい、猫背の姿勢が定着してしまいます。
猫背が肩や背中のコリにつながることは皆さんご承知のとおりです。
筋トレが原因のコリの解消方法は?
コリを解消するといえば、すぐにマッサージやストレッチを思い浮かべますが、問題を解決するには原因に対して対応するのが一番です。以下、残念ながら即効性はありませんが、前述の「チェック」内容に心当たりのある方はお試しいただければと思います。
その1:正しい姿勢で、鍛える対象筋を意識して筋トレする
胸の種目
背もたれやベンチに背中をつける場合、後頭部を押しつけないように意識しましょう。「頭からのけぞる」姿勢ではなく、肩甲骨の上部から中部を背もたれやベンチのパッドにつけ、そこに腕から伝わった「負荷」が載るように意識していただければ良いと思います。
動作姿勢をとり、実際に動作を始める前に首を軽く浮かせたり動かしたりして、首に力が入っていないことを確認するのも良い方法だと思います。
肩の種目
フリーウェイト(ダンベルなど)を用いたトレーニングを例にして申せば、「ウェイトを挙げる」ことを意識するのではなく、「三角筋が収縮している」ことを意識することが大事です。
ウェイトを挙げることに意識がいくと、三角筋で挙げられない範囲を肩をすくめて(=僧帽筋を使って)挙げてしまうので、首や肩のコリにつながります。
正しい位置までウェイトを挙上できない場合は、使用するウェイトの重量を見直すことも必要だと思われます。
その2:背部の種目を取り入れる
筋トレはバランスが大切です。理想は全身(胸・背中・肩・腕・上腿・下腿)をまんべんなく鍛えられたら良いのですが、ついつい自分の好きな種目ばかり集中してしまう、といったことがおこります。
まずは、もし思いつきで種目選択を行なっている場合は、メニューを決めるようにし、背中の種目を必ず織り込むようにしましょう。
ただ、自宅でトレーニングを行う場合で自重トレーニング種目主体の場合は限界もあります。可能であればフリーウェイトなどの道具を利用したり、ジムに通うことを検討いただければと思います。
別の記事で自宅トレーニングでの種目選びやジム通いの参考になるものがありますので、ぜひ参考にしてください。
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即効性のある方法(姿勢が悪い場合)
体の前部(胸・腹筋・三角筋前部等)ばかり筋トレを行った結果、姿勢が悪くなっている場合、手っ取り早い解消方法は、マッサージやストレッチです。
トレーニングによってこわばり縮んだ身体前部の筋肉についてマッサージやストレッチを行い、緩めてやることで姿勢を正しい状態に戻すことができ、結果して背中側のコリの解消が図れます。
原因が体の前部にある場合は、首・肩・背中を直接マッサージするより、こちらのほうが効果的かもしれません。
以下、3つほど具体的な方法をご紹介します。
小胸筋の筋膜リリース
- 人差し指と中指を揃えて手と逆側の胸(右手の指を使う場合は左胸)の鎖骨の下部に添えます。
- そのまま肩の方に鎖骨にそって指を動かすと骨に突き当たって止まりますので、そこを指で軽く圧迫したまま前後左右にゆすります。(1分程度)
- 次に、胸の中央部の第3〜5肋骨のあたり(目安としては「みぞおち」のすぐ上あたりから指3本程度の幅)を同様に指で圧迫しながら前後左右にゆすります(1分程度)
- 手を変えて逆の胸も同様にほぐします。
大胸筋の筋膜リリース
- 大胸筋は上腕骨にくっついているので、その付け根を掴みます。リリースする側の胸と逆側の手の親指と人差し指で脇に手を差し込み探ると大胸筋と上腕骨がつながっている箇所がわかると思います。
- 大胸筋の付け根を掴んで軽く圧迫したまま、逆側の腕を大きく前回転20回、後回転20回行います。
- 手を変えて逆の胸も同様にほぐします。
胸全体のストレッチ
- 壁を向いて立ちます。壁からの距離は肘を曲げて腕を壁側に突き出した際に、肘が壁につくかどうか、といった距離が適切です。
- この状態で左右どちらかの腕を体の側面からまっすぐ横に伸ばします。このとき、手のひらは天井へ向けます。
- 次に伸ばした腕と逆向きに45度程度体を捻ります。こうすると、伸ばした腕が壁にあたり伸ばした腕側の大胸筋が強く引き延ばされます。
- 痛気持ちいい程度の強さで30秒から1分間伸ばします。
- 逆側の腕も同様に行います。
「コリ」ではない可能性も
ここまでは筋トレに伴うコリ・痛みであることを前提にお話を進めてきましたが、背中・肩の痛みについては筋肉由来でないケースもしばしばあります。筋肉痛だと思っていたら消化器・循環器の不調からくる痛みだった・・というケースです。50代・60代のアラ還世代ともなると、自覚がなくともこれらの器官に疾病を抱えていることもあり得ます。違和感が長く続く、あるいはひどくなるようでしたら、油断せず、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
さいごに
以上、今回は筋トレが起因になる首・肩・背中のコリや痛みについてのチェック方法と解消方法について解説させていただきました。
健康で溌剌と過ごすために筋トレをしているのに、それが原因で身体に不調を抱えては元も子もありませんが、だからといって身体を鍛えることに臆するのも良くありません。「正しく、適切に」身体を鍛えて健やかに過ごしたいものです。
それでは今回はこのへんで失礼します。お読みいただきありがとうございました。