マシントレーニングの効果に差がでる「ちょっとしたコツ」

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マシントレーニングの効果に差がでるちょっとしたコツ

 AROUND60 FITNESS(ロクマルフィット)をご覧いただきありがとうございます! 筋トレ歴10年の副業ライターあんじょうです。

 以前、「マシントレーニングはフリーウェイトトレーニングより効果的なこともある」という内容の記事を書かせていただきました。

 その中で、「マシンは軌道が決まっているので、テクニックは必要ない。誰でも効かせることができる」という主旨のことを書かせていただきましたが、そうは言ってもテクニックによって効き方には差がでてしまいます

 本日は、「マシントレーニングする場合には、こういったところに気をつけたい」というポイントをご紹介します。ちょっとしたコツですが、「気にする」と「気にしない」とでは、効果(=対象部位への効き)が違ってきますので、是非、ジム通いされている方はお試しください。

 記事の骨子は以下のとおりです。

  • 筋トレの効果は、「一定の時間内で、筋肉に与える負荷の大きさ」で変わってくる。
  • マシントレーニングを行うにあたり、フォームや動作が正しくないと、対象の筋肉から負荷が抜けたり、違う部位に効くことになる。(胸・背・肩・脚にわけて具体的に説明)
  • 1回あたりの効果の差は僅かでも「チリも積もれば」大きな差になるので、若い人に比べて筋肉が成長しにくい50代・60代は少しでも効果が最大化するように工夫したい。

それでは、参りましょう。

目次

どうして「効果」に差がでるのか

そもそも筋トレの「効果」とは何か?

 「筋トレの効果」とは、ここでは筋肥大や筋力増強のことを指しています。効果のある・なしとは、同じ努力をして(いるもりで)、その結果どれだけ筋肥大や筋力増強が図れるか、という「程度の差」のことだと理解してください。

どうして差がでるのか?

 筋トレでは一定の時間内で、筋肉の可動域のできるだけ広い範囲で、どれだけ強い負荷を与えられるか」によって効果に差がでます

 例えばマシンチェストプレスで「正しいやり方」でやれば数ヶ月で10%筋肥大したとします。ところが、負荷を与える稼働範囲が狭かったり、負荷が弱かったりすると、たとえ筋肥大できたとしても「正しいやり方」で行った場合の「10%の筋肥大」には及ばない…といったことが起こります。

効果を最大化するにはどうすれば良いか

 効果を最大化させる方法を覚えるより、効果を損なう「やり方」をしないように気を付けるほうが簡単なので、その説明をさせていただきます。

 効果を損ねるやり方としては、下表のような動作があります。

効果最大化のポイント効果を損ねるやり方
筋肉の可動域のできるだけ広い範囲で動作する腕や脚を伸ばしきれず、もしくは曲げきれず、可動域の一部範囲で小さく動かしてしまう。(例:スクワットでしっかりしゃがまない、ベンチプレスでバーが胸につくまで下ろさない等)
最大限の負荷を与え続ける(=休憩しない・力を逃さない)動作の切り返し時点(=腕や脚を伸ばし切ったところ)で、関節をロックさせて休んでしまう
鍛える対象の部位以外の筋肉を使ってしてしまう(例:ベンチプレスなのに、胸の筋肉を使わず、主に上腕三頭筋を使ってしまう等)
反動を使って動かしてしまう(例:サイドレイズを行う際に、上体を揺らしてウェイトを持ち上げる等)
筋トレの効果を損ねる動作

上記のような動作をしてしまうと、負荷をかけるべき筋肉に十分な刺激が届かなくなります。筋トレの効果を最大化させようとするならば、上記の「効果を損ねるやり方」をしないように気をつけねばなりません。

なお、鍛える対象の筋肉を追い込む際に使う「レストポーズ法」や「パーシャルレップ法」「チーティング」など意図的かつ適切にこれらの動作を行う場合は「効果を損ねる」ことにはなりません。

 こういった「効果を損ねるやり方」をしてしまうのは大抵、「適切な重量設定ができていない」か「適切な姿勢(フォーム)でない」ことが原因です。

 「可動域いっぱいに動かせない」「動作させるたびに休まないとできない」「反動を使ってしまう」…。いずれも重量設定が重たすぎることが主要因だと思われます。周囲の目を気にせず、「姿勢を崩さず、狙った回数がギリギリできる程度」の負荷設定を行うようにしましょう。

 残る「鍛える対象部位以外の筋肉を使ってしまう」ケースは、「対象部位以外に力が入る姿勢(フォーム)」になっている場合が多く見受けられます。次の項で主なマシントレーニング種目ごとに見ていきましょう。

部位別・種目別の注意ポイント

 以下、主なマシントレーニングにおける注意ポイントについて、部位別・種目別に説明していきます。種目は、チェストプレス(胸)、ラットプル(背中)、ショルダープレス(肩)、レッグプレス(脚)です。

 チェストプレスマシン(主ターゲット:大胸筋)

 本来、主として大胸筋を鍛えるマシンですが、コンパウンド種目ですので、三角筋前部や上腕三頭筋も同時に使います。ですので、「大胸筋以外に力が入る」こと自体は問題ないのですが、大胸筋に十分刺激を与える前に肩や腕が疲れて動作できなくなるケースが問題となります。

 この状況、本来大胸筋で受けなければならない負荷が三角筋や上腕三頭筋に逃げている可能性があります。改善するには、以下のポイントに気をつけてみてください。

肩甲骨を下制する

…肩甲骨を下部の脊椎方向に向かって寄せる状態です。イメージがわかなければ、「首を伸ばし、背筋を良くした状態から、大胸筋上部を天井に向ける(=胸を張る)」ようにすれば自然とその姿勢になります。こうすることによって、三角筋の関与を抑え、大胸筋に刺激が届くようになります。

脇の角度(上腕と体幹の間)が60〜70度になるようにする

…90度に近くなるほど、三角筋の関与が高まりますので、脇の角度は60度〜70度を目安にしましょう。シートの位置を動かし、ハンドルを持ったときに、手の高さが胸のみぞおちの少し上あたりにくるようにセットすると、脇の角度が60度〜70度になると思います。ハンドルを持った状態で、手で押す方向と前腕の角度が一致するように肘の位置を決めます。

ハンドルを持つ手幅は肩幅を目安に

…手幅が狭いと上腕三頭筋を使いがちになります。ハンドルを持つ手幅は肩幅くらいを目安にすると良いでしょう。

腕を伸ばす際は肩の位置を動かさずに押せるところまででOK

チェストプレスで腕を伸ばす際に、肩が前に出るまで押し切らないように気をつけます。肩が前に出ると、大胸筋への負荷が抜けてしまうので、肩甲骨を下制したまま動かない状態で、腕が動く範囲までで動作しましょう。

ラットプルダウンマシン(主ターゲット:広背筋・大円筋・僧帽筋下部)

 ラットプルダウンは主に大円筋や広背筋を鍛えるために行いますが、姿勢が悪いために、上腕二頭筋や僧帽筋ばかり疲れる人や、腹筋が(当日はわからなくとも)翌日筋肉痛になったりする人がいます。これは「バーを引き下げる」ことに集中するあまり、腕をつかったり、上体を屈めたりすることが原因だと思われます。

 改善するには以下のことに気をつけてみましょう。

姿勢を良くして胸を張る

 バーを体の前面に引く場合(註:首の後ろに引くパターンもありますが、割愛します)、胸を張って、大胸筋上部を天井側に見せるようにして座ります。動作開始時に猫背になっていると、体を前屈して腕の力を使ってバーを引き寄せることになります。

動作の最初に、肩甲骨を下制する

 バーを持つと、鉄棒にぶらさがったように、肩甲骨や肩は上方向に引っ張られた状態になります。このままバーを引くと、広背筋が縮まらず、「稼働域を広く取って動かす」ことができません。動作を始める際に、まず初めに肩甲骨を下に引き下げ(=胸を張るイメージです)、その位置から、「肘を腰骨に近づける」イメージで肘を引くと、広背筋に負荷が入ります。

バーは肩幅より拳1つ広めの位置で、中指・薬指・小指に力をいれて握る

 中指、薬指、小指の神経は広背筋と繋がっているので、これらの指に力をいれることを意識すると、「広背筋で引く」感覚が得られやすくなります。

腕は伸ばし切らない

 可動域を最大化させる意味では腕はできるだけ伸ばした方が良いのですが、慣れない方は伸ばし切った場所で力が抜けてしまいがちです。そうなると広背筋から刺激が逃げてしまうため、腕は伸ばし切る少し手前で止めるようにしましょう。

肩:ショルダープレスマシン

 主に三角筋前部と上腕三頭筋を鍛えるマシンですが、姿勢が悪いと大胸筋に刺激が逃げてしまいます。また、最悪、腰を痛める可能性もあるので、注意したいところです。注意点は以下のポイントです。

肩甲骨は広げ、胸は張らずに自然な姿勢で

 チェストプレスマシンの注意ポイントと逆だと思ってください。肩甲骨を寄せ、胸を張ると動作する際に三角筋前部だけでなく、大胸筋の上部にも負荷が入ります。三角筋を集中して鍛えたい場合は、シートに背中をぴったりと付け、視線は顔は正面を向いた状態で動作するようにしましょう。

腰が反らないように気を付ける

 重量設定を重めにすると、回数をこなすうちにキツくなり胸の筋肉も使って挙げようとしてしまいます。この際、気をつけたいのが腰です。「大胸筋を使う=上体が上を向く=腰が反る=腰に垂直方向に負荷が乗る」ので、腰を痛める危険性があります。

 腹圧を高め、腹筋を使って上体が反らないように留意しましょう。

脚:レッグプレスマシン

 下半身全体を鍛えるのに良いマシンですが、主なターゲットは大腿四頭筋と大臀筋になります。「負荷が逃げる」というより、「どこを鍛えたいか」で姿勢が異なってきますので、目的に応じた姿勢をとるようにしましょう。

主に鍛えたい場所に応じて足を置く位置を変える

 フットプレートの上部に足を置くと大臀筋側に効き、下部に足を置くと大腿四頭筋に効きます。また、足を置く幅は「腰幅」が基本なのですが、若干広めに置くと内転筋群への刺激が増えます。

 どの筋肉も総合的に鍛えたいという場合は、足はプレートの中央付近に腰幅で置くようにすれば良いのですが、「総合的」ということは、満遍なく負荷が分散している状態でもあるので、特定部位を鍛えたい場合は、足の位置を工夫するようにしてみましょう。

脚をしっかり曲げ伸ばしできる位置に座席をセットする

 レッグプレスマシンは通常フットプレートか、シートの位置を調整できるようになっています。大腿四頭筋を鍛えたい場合は膝関節、大臀筋を鍛えたい場合は股関節が屈曲した姿勢のときにそれぞれ90度程度になるようにセットしましょう。あまり曲げすぎると関節への負荷が大きくなりすぎますし、逆にしっかり曲げないと筋トレの効果が低下します。

 重量を追い求めるあまり、膝や股関節をほとんど曲げないようなやり方をされている方もいらっしゃいますが、関節への負担が大きい割に、筋肉への刺激が少ないため、おすすめできません

まとめ

 以上、マシントレーニングを行う際の「ちょっとしたコツ」についてご紹介させていただきました。

 同じ時間と労力を使ってトレーニングするのですから、「ちょっとしたこと」で結果が変わるのであれば、できるだけ効果が最大化するようにしたいものです。

 上記で説明させていただいた「コツ」はケガ防止にも役立ちます。是非ご参考にしてください。

 それでは、本日はこの辺で失礼します。最後までお読みいただきありがとうございました。

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