運動不足の50代・60代は定期的に握力を測った方が良い!という話

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運動不足の50代・60代は定期的に握力を測った方が良い
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はじめに

 AROUND60 FITNESS(ロクマルフィット)をご覧いただきありがとうございます! 筋トレ歴10年の副業ライターあんじょうです。この記事では「握力」について書きたいと思います。

 最近、某フィットネスクラブのブログに「握力が低下すると、体全体の筋肉量や身体機能が低下します」と書かれているのを目にしました。これはさすがに言い過ぎではないか(=「相関関係」と「因果関係」を取り違えているのではないか)と思わなくもないですが、昔から「クルミ(の硬い殻)を握って握力を鍛えると老化防止になる」と言われてきたことを踏まえると、握力とアンチエイジングには何らかの相関関係があると考えても間違いではないように思います。

 そこで本日は、「握力を測ることで何がわかるのか」、「運動不足の50代・60代の方に定期的な握力測定をおすすめする理由」などについてお話します。本日もお付き合いください。

握力測定で何がわかるのか

「体力テスト」に必ず握力測定が入っている背景

 あんじょうは社会人になってから握力を計測したことが数えるほどしかないのですが、思えば中学・高校の頃の体力測定には必ず「握力測定」が含まれていました。 

 この体力測定、現在行われているものは正式には「体力テスト」と呼ぶようです。文部科学省は1964年から「体力・運動能力調査」を実施しているのですが、その内容を1999年に見直したものが「新体力テスト」です。

2024年現在ですでに25年経過。そろそろ「新」は取った方が良さそうですね…。

 調査目的としては「国民の体力・運動能力の現状を明らかにし,体育・スポーツ活動の指導と,行政上の基礎資料として広く活用するため」だそうで、テスト項目は年齢区分により異なります。下表が新体力テストの項目です。

6歳~11歳握力・上体起こし・長座体前屈・反復横とび・20mシャトルラン・
50m走・立ち幅とび・ソフトボール投げ
12歳~19歳握力・上体起こし・長座体前屈・反復横とび・50m走・立ち幅とび・
ハンドボール投げ・持久走(又は20mシャトルラン)
20歳~64歳握力・上体起こし・長座体前屈・反復横とび・立ち幅とび・急歩(又は20mシャトルラン)
65歳~79歳握力・上体起こし・長座対前屈・開眼片足立ち・10m障害物歩行・6分間歩行
新体力テストのテスト項目

「握力・上体起こし・長座対前屈」については全ての年代層のテスト項目に入っていますね。この国の基準が学校等での体力測定の際に必ず「握力」が入っている背景のようです。

テストではどのような能力を計測しているのか?

新体力テストの種目はそれぞれ「どういう能力を調べているか」が分かれています。例えば「握力測定=筋力」「反復横跳び=俊敏性」「立ち幅跳び=跳躍力」「長座体前屈=柔軟性」…といった具合です。握力は「筋力」を見るための項目ということになっているのですが、手の筋力だけで全身の筋力を代表させるのは少し乱暴な気もします。

握力測定でわかること

 単純に考えて握力が強いからと言って脚力や背筋・腹筋の強弱には直接的な関係は何もないように思います。なのに、なぜ握力測定で筋力を調査するのか。一番の理由は「短時間で大量・手軽に計測が可能だから」といったことでしょう。全国で幅広い年代に対し行う調査ですから、計測方法が難しいことは避けねばなりません。

 確かに、何かスポーツをする場合…例えば「ボール等を使用した投球動作」や「バッ ト、ラケット、クラブなどの用具を使用し た打球動作」「柔道や相撲など相手を掴む格闘技」などには必ず握力が必要となります。筋トレにおいても引く動作(懸垂やラットプルダウン・ローイング)では握力が必要になります。

筋トレの場合はパワーグリップなどのサポートギアもありますが、これらのギアを使えない状況の場合は握力がないと十分に対象筋に負荷をかけることが難しくなりますね。

これを踏まえると「握力がある」=「それなりに運動している」=「手(前腕)以外の筋肉も発達している」という相関関係がある、という考え方もあながち不適切とは言えないのかもしれません。

逆に言えば、「握力の測定値が年々低下している」=「体を使うことが年々減っている可能性」=「全身の筋力も年々低下している可能性」とも言えるかもしれません。

ただ、勘違いしてはいけない点がひとつあります。それは、「握力が強い」ことと「全身の筋力が強い」ということの間には「相関関係」はあれども「因果関係」があるわけではない、ということです。具体的に書くと「握力を計測すれば、全身の筋力の程度をある程度知ることはできる(=相関関係がある)」が、「握力だけを鍛えても全身の筋力が強くなる(=因果関係がある)わけではない」という言い方になります。

握力測定はサルコペニアの判定にも使われているらしい

 ともあれ、「握力を測定すれば全身の筋力の状態も推測できる」という考え方に基づき、最近では握力測定を「サルコペニア」の判定にも用いているそうです。

 サルコペニアって何でしたっけ?

 ざくっと言いますと、「加齢により筋肉量や筋力が低下した状態」のことですね。


 サルコペニアの診断には何段階かのスクリーニング(検査)を経るのですが、その第一段階として握力を測定します。男性は握力が28kg未満、女性は18kg未満になると要注意となります。

普段運動をしない方はせめて握力だけでも定期測定を

 普段運動を習慣にしている人は加齢による体力の衰えを運動中に感じる一方、運動をしているからこそ体力低下を抑止することもできています。しかし、普段運動していない人は自身の体力低下に気づく機会も少なくなっているのが最近の状況です。

 特に、コロナ禍前後で生活様式が「内向き」に変化したことも大きいですね。

 そういう状態が日常化すると自分の体力低下に気づく機会はどんどん減っていきますよね。

 あんじょうとしては、このサイトで「筋トレ」をお勧めしていますが、筋トレに乗り気でない方であっても、せめて定期的に握力測定していただき体力・健康のバロメーターにしてはいかがか、と思います。

握力の平均はどのくらいか

 さきほど、「握力が男性28kg未満、女性18kg未満だとサルコペニアの疑い」と書きましたので、ここで握力の平均値をチェックしておきましょう。握力は男女ともに30〜40代をピークとして年齢とともに低下していきます。

 この握力測定値の低下は全身の筋力低下ともある程度の相関があると考えられます。同年代と比較してご自身の握力が低い方は、「体力づくり」を考えてみる良い機会かもしれませんね。

年代(歳)男性(kg )女性(kg )
20-2444.827.35
25-2945.8427.75
30-3446.4727.75
35-3946.4428.05
40-4446.1728.54
45-4945.7328.38
50-5445.4227.34
55-5944.4926.74
60-6442.3826.27
65-6939.3225.25
70-7437.723.96
75-7935.0122.47
令和4年度体力・運動能力調査結果

補足:表はスポーツ庁 「令和4年度体力・運動能力調査結果の概要及び報告書について」に掲載されていたものを再編集しました。

おわりに

 いかがでしたでしょうか。今回は「握力測定」による体力チェックについて説明させていただきました。あんじょうとしてはアンチエイジングには筋トレをおすすめしていますが、「時間の都合」や「気がのらない」等で踏み出せない方も多いかと思います。

 そんな方向けに、空き時間で手軽にできる「握力測定」でご自身の体力チェックをしてみては、と考えご紹介させていただきました。それでは、今回はこのへんで失礼します。お読みいただきありがとうございました。

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