はじめに
AROUND60 FITNESS(ロクマルフィット)をご覧いただきありがとうございます! 筋トレ歴10年の副業ライターあんじょうです。先日、Webを検索していたら、たまたま東京大学のプレス発表で興味深い内容の記事を見つけたので皆さんと共有したいと思います。
私たちが若い頃は「日本人は塩分摂りすぎ、カルシウムが不足」と言われていたように思いますが最近はどうなのでしょうか。
そういえば高校生の頃、背を伸ばすために牛乳を毎日がぶ飲みしていました。カルシウム不足を牛乳で補うのは、今思えば乳脂肪の過剰摂取だったのですが…。
ボディメイクには適切な強度の運動(=筋トレ)が大事ですが、それと同じくらい、適切な栄養摂取と休息も大事です。現在の日本人の栄養状況を知って食事管理の参考にしていただければと思います。
東京大学の研究をご紹介
東京大学が2023年12月19日に「日本人の栄養素摂取量は適切か―8 日間秤量食事記録に基づく全国規模調査―」という記事をプレスリリースしています。
記事の概略はおおよそ以下のとおりです。
- 東京大学は1〜79歳の日本人4,450人を対象とした全国規模の秤量食事記録調査を行なった。
- 調査結果から多くの栄養素の摂取量が不適切(不足や過剰の状態)であることを明らかになった。
- この研究は日本人の大規模集団で習慣的な栄養素摂取量を算出し評価した初めての研究。
- この研修の成果は栄養摂取状況の改善に向けた政策等に利用される。
プレス内容の原文はこちらを参照してください( https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400229178.pdf )
さて、ここではプレス記事からグラフを拝借して見ていきましょう。成人男性・女性の栄養状態を示したグラフが以下の図です。
グラフで示されている値は「標準から外れている人の割合」ですから、「過剰」な場合も「不足」な場合もある、ということに留意しなければなりません。今回、記事本文は掲載を割愛させていただきましたが、記事にはナトリウム(つまり塩分)は摂取過剰傾向で、カルシウムは不足傾向だったことが言及されています。
やはり、最新のデータでも日本人はカルシウム不足なんですね
以前から、日本人の食習慣の傾向として「若年層は脂質過多、高齢者は塩分過多」と言われてきましたが、このグラフを見る限りでは、若年層は脂質(特に飽和脂肪酸)も塩分も過多な状態のようです。
興味深いのはそれぞれの栄養素ごとの年代別グラフの傾きです。「18歳〜29歳」のグループから順に「75歳〜79歳」のグループに5段階に分類されていますが、6つの栄養素のうち4つが「右肩下がり」であるにも関わらず、たんぱく質とナトリウムは「右肩上がり」になっています。つまり高齢者ほど(状況から見て過剰ではなく)不足傾向が強いということです。
感覚的には若い頃は肉・油物を多く取るので脂質・飽和脂肪酸が過剰摂取しやすい代わりにたんぱく質も一定量は摂取できている。一方、高齢になるに従って脂っこいものが苦手になり、合わせてたんぱく質の摂取も減っていく、ということが想像されます。
今回の調査では、他の栄養素に比べるとたんぱく質は過不足のある方の比率が低いので、それほど問題になる話ではないのかもしれませんが、「加齢とともに、たんぱく質摂取量が不足しがちになる」ということは知っておいて損はないように思いました。
「筋活」・「貯筋」のために必要なこと
このサイトをご覧いただいている皆さんの中には日々筋トレを行い「筋活」「貯筋」に勤しんでいる方も多いかと思います。
ご承知かと思いますが、筋肉を付けるには筋トレだけでは不十分で、十分な栄養と休息が必須です。栄養と休息、どちらも不足しがちなのが現代日本人の生活スタイルの悪いところでして、あんじょう自身、仕事や家事都合で夜遅くまで起きていることも多く、日々睡眠時間を確保するのに苦労しています。
生活パターンを変えるのは現実にはなかなか難しいところもあるのですが、無理せず可能な範囲で工夫をしてみることは悪いことではありません。
食事については基本的に朝・昼・晩と栄養バランスに気をつけて摂りたいところではありますが、それに拘りすぎても違うところで無理が出てしまいます(=精神的に疲れて長続きしない、など)。多少お金はかかってしまいますが、このご時世、サプリメントなどで不足する栄養を補うことも一つの方法でしょう。
プロテインドリンク摂取の有効性
筋トレで体づくりをする場合、摂取すべきたんぱく質の量は通常の2倍程度多めになります。通常では体重1kgあたり1g程度で良いところ、筋トレをする場合は体重1kgあたり2g程度が必要ということです。それを食事で賄おうと動物性たんぱく質(例:肉・魚・乳製品)を取るとどうしても脂質も多めになってしまいます。
代わりに大豆などの植物性たんぱく質を取れば良いのですが、植物性たんぱく質が豊富なメニューとしては、メジャーどころでは納豆・味噌汁・豆腐…と一緒に塩分(醤油系)を多く摂取しがちな食事が並んでしまいます。
このあたり、バランスをとるのがなかなか難しいのですが、それらを解決してくれる一方策としてプロテインドリンクを上手に活用するという方法があります。
プロテインドリンクも過剰摂取すると胃腸に負担がかかってしまいますが、「栄養が不足する分だけプロテインドリンクで補う」ような上手な使い方をすれば問題はないと思われます。
他の記事で詳しく書いていますので、よろしければそちらを参照してください。
まとめ
以上、今回は東京大学のプレスリリースを共有し「50代・60代のたんぱく質不足」について考えてみました。
なお、誤解のないように繰り返しますが、プロテインドリンクは上手に取り入れれば身体づくりに有用ではあるものの、プロテインドリンクを飲んでいるから日々の食生活はバランスが悪くて良い、という話ではありません。基本はバランスの良い食事を心がけつつ、上手にサプリメントで補うような食生活を心がけたいものです。
それでは、今回はこのへんで失礼します。お読みいただきありがとうございました。