筋トレを中断すると、どのくらいの期間で筋肉が落ちる?

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筋トレを中断するとどのくらいの期間で筋肉が落ちる?
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はじめに

 AROUND60 FITNESS(ロクマルフィット)をご覧いただきありがとうございます! 筋トレ歴10年の副業ライターあんじょうです。

 このサイトでは以前から「50代・60代のアラ還世代トレーニーにとって一番大切なのはケガをしないことだ」とお伝えしています。しかし、現実にはどれだけ注意していてもケガしてしまうものです。

・筋トレを始めてから数ヶ月、真面目にやってなんとなく体つきが変わってきた。

・扱うウェイトの重量が増え、筋力・筋肉がついてきた実感がでてきた。

そんなタイミングでケガをして、筋トレができない期間ができてしまうと「これまで積み上げたものが失われるのではないか」と不安に駆られる方もいらっしゃると思います。本日は、そんな方に向けた情報提供です。

ケガをしているのに、無理してトレーニングしては悪化します。しっかり休みましょう。

この記事の骨子は以下のとおりです。

  • 脂肪に比べると筋肉は増えるのが遅いが、減るのも遅い
  • とは言え、50代・60代は筋トレしないと筋肉は落ちていく。ただし、減るスピードには個人差あり。
  • ケガ療養中、筋肉を落とさないコツはカロリー収支をマイナスにしないこと。ダイエット中であれば悩ましいが、あんじょうとしては、ダイエット中断がおすすめ。(=筋トレとダイエットはセットが基本)
  • マッスルメモリーもあるので、焦らなくても筋肉は取り戻せる。まずはケガを治すこと。

筋トレを中断するとどうなる?

 筋トレのモチベーションになるのは、なんと言っても「見た目」の変化だと思われます。

 初心者の方であれば、3ヶ月程度真面目に筋トレに励めば、「自分だからわかる」程度の変化が外見に現れます。6ヶ月も続けられれば他人からも変化がわかるでしょう。

 自分の努力が見える形になって現れることほど嬉しいことはありません。体型が変わってくると、筋トレすること自体が好きになりますし、続ける意欲も湧いてきます。

 筋トレを始めた頃は「XX kgダイエットする」「カッコいい体型になる」という実益だけが目的だったものに、気がつけば「達成感を得る」といった精神面の付加価値も追加される…筋トレが好きになる方は大体そんな感じではないかと思います。

 ここで、「筋トレ好き」の人が陥りがちなのが「筋トレ休むのが怖くなる病」です。

本当の病気ではありませんよ。念のため…。

 筋肉を増やすのに努力しているので、休むと筋肉が落ちてしまうような気がして怖い

 特に50代・60代のアラ還世代は、若い世代より筋肉を増やすのに苦労していますので、せっかく増やした筋肉が減ることに対する精神的ダメージは若い世代より大きいのではないかと思います。

 「せっかく努力して体型が変わってきたのに、ここで休むと元の体型に戻ってしまう!」・・と。

確かに、50代・60代になると、筋トレなどの運動をしないと筋肉は落ちてしまいます。が、そこまで神経質になる必要があるのかどうか。ここで大事なのは「筋肉が落ちるとしても、どの程度か?」ということだと思います。

ちょっと確認してみましょう。

筋肉が増えるはやさ、筋肉が減るはやさ

 筋肉が増える・減ると言いますが、一般には大体どの程度のはやさで増えたり減ったりするものでしょうか。

筋肉が増えるはやさ

 米国の研究者アラン・アラゴン氏によると1ヶ月で増やせる筋肉量は青年男性の筋トレ初級者で概ね体重の1〜1.5%/月、中級者なら0.5〜1.0%/月。女性の場合はこの半分だそうです。また、年齢によっても差がでてきますので、50代・60代であればさらに少なくなります

 概算すると、体重65kgの成人男性なら頑張っても500g〜1kg弱/月、体重50kgの成人女性なら100g〜300g /月しか増やすことができない、ということですね。1ヶ月で2〜3kgくらい増減させられる体脂肪とは大きく違います。

 女性で「筋トレでゴツくなるのは嫌」と言う人もいますが、頑張っても「ゴツくなる」ほど増えるわけではない、ということですね。

筋肉が減るはやさ

 では、筋肉が減るほうがどうでしょうか。

 インターネットの記事を読んでいると「寝たきりで体を動かさないと1日に1〜1.5%”筋力”が落ちる(記事によっては2〜3%)」という記事を目にします。

 これを見ると一瞬「増えるのは1ヶ月に1%で、減るのは1日で1%か!」と驚いてしまうのですが、ここで気をつけたいのは、「落ちるのは”筋力”であって”筋肉”そのものではない」ということです。

 もし、減るのが「筋肉」であれば、体重50kgの人が2日寝込めば(不健康ではありますが)1kg程度は痩せられる計算になります。「寝たきりダイエット」が流行ってしまいそうですね。

 筋肉量は、通常(筋トレ等をしない限りは)、20代以降、年1%程度の割合で減少していくと言われています。高齢者がフレイルやサルコペニアに気をつけねばならないのは、このような実態があるからです。

 確かにこのペースですと70歳頃には筋肉量が20代の半分になってしまいます。そう考えると10年・20年といった長期的観点では気をつけねばならない話ではあるものの、「ケガをして筋トレを休む期間」の話であれば、長くて1年・2年でしょうから、そう考えると大した影響はないと考えても良いように思えますね。

 また、減少するにしても筋トレをやめた翌日から筋肉量に変化が生じるわけでもありません。一般に筋肉量に影響がでるのは、筋トレを中止して2〜3週間後から、と言われています。

 どの程度筋トレを休む必要があるかにもよりますが、それほど焦る必要はなさそうです。

…とはいえ「努力して増やした筋肉なのだから、1gたりとも減らすのは嫌だ!」というのが人情というもの。次章では、なぜ筋肉量が減ってしまうのか、どうすれば減る「量」や「はやさ」を緩和させられるのかについて触れたいと思います。

筋トレをやめると筋肉量が減る理由

本来、生物としては「筋肉」は少ないほうが良い

 人間の体は体脂肪も骨格筋も常に代謝(=分解と合成)を繰り返しています。分解される量が合成される量より多ければ「増える」ことになりますし、少なければ「減る」ことになります。

 人間も生物ですから、体の仕組みは「生存により有利に働く」ようにできています。生存に必要なものを体に残し、不要なもの、不利なものは体から除こうとします。

 摂取カロリーと消費カロリーの「カロリー収支」が余剰になった場合、余剰分を「貯蓄」するために体脂肪が増えます。これは常に食料があるとは限らない厳しい自然環境の中で飢餓状態に備えるためです。

 筋トレすると筋肉が増えるのも、同様です。敵から身を守ったり、敵を倒したりするために強く素早く動く必要があるからこそ、筋肉が発達するのです。

 敵に襲われて死んだりすることがなければ、本来、筋肉(骨格筋)が多いことは生命維持にとっては負担です。

 我々の日常ではよく「筋肉が増えると基礎代謝が向上して痩せやすい体になる」と言われますが、「自然界で生き残る」視点で言葉を変えると「筋肉が多いとエネルギーをたくさん消費するので、飢餓状態になりやすい」ということでもあります。

 ですので、体が必要のない筋肉を極力減らして「燃費の良い体質」になろうとするのは、ごく自然のことなのです。

これが、筋トレをしなければ筋肉が減る理屈です。

体は 「筋肉がなくても危険にさらされることがないなら、筋肉は少ないほうが良い」と考えるわけですね。

どうすれば筋肉の減少を抑制できるか

 では、どうすれば筋肉の減少を抑制できるのでしょうか。

 体は生命維持に不要だからといって、「脂肪」も「筋肉」も単純に捨ててしまうことはしません。ちゃんとエネルギーとして利用します。自然の仕組みはよくできています。

 通常、エネルギーとして消費されるのは、体内にある糖質、その次に脂質(体脂肪)なのですが、ここで「使わないのであれば」タンパク質(骨格筋)も一緒にエネルギーとして消費されてしまうのです。

 自然界の厳しい状況を思い返してみましょう。自然界では常に飢餓と隣り合わせです。

 常に飢餓のリスクを抱えている中、筋肉を必要とするような危険がないとしたら…。そうです、体は筋肉を分解してエネルギーにかえ、省エネな体質に体を作り変えるとともに、飢餓にそなえ体脂肪を温存するのです。

 本題から少しはずれますが、よく「ダイエットする際に食事制限と筋トレを併用しないと、筋肉が落ちて太りやすい体質になる」と言いますが、その背景は上記のような体の仕組みからきています。

 では、筋肉を減らさないようにするにはどうすれば良いか。

 「飢餓の心配がないよ」と体に知らせてやることです。つまり、カロリー収支が足りている状態にすれば、筋肉の分解は最低限に抑えることができます

筋トレせずにダイエットして良いのか?

 「ダイエット目的で筋トレをしていてケガをしてしまった」という場合、非常に難しい選択を迫られることになります。

 無論、ケガの場所や程度次第ではあります。ケガに影響のない範囲で筋トレができるなら、できる範囲で筋トレとダイエットを続ければ良いでしょう。しかし、腰や肩のように「ケガしてしまうとほとんどの種目ができない」部位の場合は、筋トレ自体を休む必要に迫られます。

「筋トレ抜きでダイエットをして良いのか。」
「一旦脂肪を増やしてでも筋肉量を維持するか、筋肉が減ることを承知の上でダイエットを続けるか。」

 悩みどころではありますが、あんじょう個人の考えとしては、まったく筋トレができないのであれば、ダイエットは一旦中断しカロリー収支をトントンにしつつ(=太らないように気をつけつつ)ケガの回復を待つのが得策と考えます。

 前述のように筋肉を1kg増やすには50代・60代のアラ還世代にとっては数ヶ月単位で時間がかかりますが、体脂肪を1kg減らすことは、食事管理さえできれば2〜3週間程度あれば十分実現可能です。

 ダイエットでも「急がば回れ」ということわざは有効だと思います。

一時的に筋肉が落ちても「マッスルメモリー」というものもある

 ケガのせいで長期間筋トレができず、筋肉量落ちてしまったとしても、あまり嘆く必要はないかもしれません。

 長期間かけて筋肉を鍛えてきた場合に限りますが、一時的に筋肉量が落ちても筋トレを再開すれば、最初に筋肉を増やすのにかかった期間より短い期間で筋肉量が戻る、という体の仕組みがあります。これは一般に「マッスルメモリー」と呼ばれています。

 あくまでも、長期間かけて筋肉が発達してきた場合に限ったお話しではありますが、これも人間が生物として「普通の状態に戻ろうとする」仕組みの一つだといえるでしょう。

 筋肉をつけ、それが「普通の状態である」と体が認識するようになれば、多少の筋トレができなくなっても、気にするほどのことはない、ということですね。

まとめ

 以上、今回は筋トレを中断した場合の筋肉量の減少についてお話しさせていただきました。お話をまとめると以下のようになります。

  • 脂肪に比べると筋肉は増えるのが遅いが、減るのも遅い
  • とは言え、50代・60代は筋トレしないと筋肉は落ちていく。ただし、減るスピードには個人差あり。
  • ケガ療養中、筋肉を落とさないコツはカロリー収支をマイナスにしないこと。ダイエット中であれば悩ましいが、あんじょうとしては、ダイエット中断がおすすめ。(=筋トレとダイエットはセットが基本)
  • マッスルメモリーもあるので、焦らなくても筋肉は取り戻せる。まずはケガを治すこと。

 色々申しましたが、結局のところ「ケガをしないのが一番」です。ケガに気をつけて、ダイエットやボディメイクに頑張りましょう。それでは、今回はこのへんで失礼します。お読みいただきありがとうございました。

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