はじめに
AROUND60 FITNESS(ロクマルフィット)をご覧いただきありがとうございます! 筋トレ歴10年の副業ライターあんじょうです。
さて、最近、あんじょうの生活圏内に「Pocket Fitness」という24時間ジムができました。
こちらの謳い文句が「月会費1,650円から使える24時間フィットネス」ということでして、最近またジムの価格競争が激しくなってきたのか…という印象を持ちました。
そこで、今回はスポーツジムの価格設定について、考えてみたいと思います。ジム選びの参考になるかもしれませんので、最後までお付き合いください。
Pocket Fitness ってどんなジム?
さて、冒頭に名前を出したPocket Fitnessについてご紹介しておきたいと思います。
このジムは2024年5月現在、四国を中心に7店舗展開している24時間ジムです。「月額最低1,650円」を売りにしています。公式ホームページによるとNATURE FITNESS(代表取締役社長 澳本 伊吹氏)という四国のベンチャー企業さんがフランチャイズ展開しているようですね。
店舗展開は、四国に5店舗、九州に1店舗、関西に1店舗。あんじょうが見かけたのは関西(大阪のJR京橋駅付近)の店舗です。
価格破壊と言われたチョコザップが税込み月額で3,278円(2024年5月現在)ですので、「1,650円/月」と聞くと驚くのですが、説明を良く読むと基本料金が税抜き1,500円(=税込1,650円)で一回あたりの使用料が500円(税抜)、最大上限費用は5,000円弱(税抜・額は店舗によって異なる)とのこと。つまり月7回以上利用する方なら月額5,000円の固定料金制と変わらないということです。逆に利用回数が月7回未満の方なら、この基本料金を低く抑えた価格設定はありがたいですね。
一般に、筋トレ頻度は週2〜3回が望ましいとされていますが、実際にはそれほど頻繁にジムに通えない方も多いでしょう。そういった方をターゲットにした料金設定かと思われます。
以下、PocketFitnessのランディングページです。ご興味のある方はご参考にどうぞ。(クリックすると別サイトに移動します)。
スポーツジムはどこまで安くできるのか?
スポーツジムの価格帯について
低価格化が進むスポーツジム業界について考える前に、2024年5月現在における主な価格状況を整理しておきます。スポーツジムを大きく分類すると、その価格帯は以下のとおりです。(2024年5月現在)
なお、公営のジムは事情が違うのでここでは比較対象から外させていただきます。
スポーツジム | 価格帯(月額) |
「コンビニ」ジム(チョコザップ) | 3,000円前後 |
24時間ジム(エニタイム、ジョイフィット等) | 5,000〜8,000円前後 |
総合フィットネスジム(コナミ、ルネサンス、ゴールドジム等) | 8,000円〜10,000円前後 |
チョコザップは24時間ジムに分類しても良いのですが、利用できるサービスがネイル・脱毛・カラオケ・ゴルフなどすでに店舗のコンセプトがすでに「ジム」を中心とした「多用途コンビニスペース」になっているため分類を分けました。
最近はティップネスやセントラルなど昔からある総合フィットネスジムも24時間ジム市場に参入しており境目が曖昧になりつつあります。価格の差は設備の充実度(マシンの種類等)やアメニティ(更衣室・シャワー・サウナ)、アクセス(立地)、サポート(トレーナー在否)の差になりますが、スマホアプリとの連携でボディメイクの管理をサポートするなど新たな付加価値を提供して差別化を図ろうとするジムも現れています。
(補足)筋トレYouTuberの山澤礼明さんが経営されている「FIT PRACE24」は「月額2,980円」という低価格をアピールポイントにされていますが、これは1年以上契約継続することが条件でして、「継続条件なし」の場合は月額5,000円程度になりますので、表の24時間ジムの価格帯はそれを考慮させていただきました。
低価格にするための工夫について
スポーツジムの主な事業コストとしては、「場所代」「設備投資(減価償却資費)」「光熱費」「人件費」あたりではないでしょうか。
このような事業で利用料金を下げようとするとまずは場所代・設備代を削る必要があります。多くの24時間ジムがプールやシャワールームなどの水まわり設備を割愛するのはそのためですね。
次に人件費。これは無人店舗化したり、管理間接業務をフランチャイズ元が一元管理するなどにより各社削減努力を続けています。
こうやって削っていくと、今度はサービスレベルが低下して会員が集まらなくなりますので、サービスの簡素化と低価格化のバランスがとれる「ギリギリの線」を当てに行くのが事業成功の秘訣なのでしょう。
価格はどこまで下げられるか
チョコザップはスポーツジムとしてのサービスレベルを低くする代わりに、その他の「ちょこっとした」サービスを合わせることで付加価値を上げて成功しています。それで月額約3,000円(退会・休会の条件なし)。
YouTuber山澤氏のFIT PRACE24は1年間の継続条件付きで月額約3,000円。おそらく現状では、このあたりが、「顧客サービスを厳選し、事業コストをギリギリに削る」方法で突き詰めた場合に実現できる利用料金(月定額)の最低ラインかもしれません。
冒頭でご紹介したPocketFitnessも基本料金は1,650円ですが、これとは別に利用料(税込みで550円/回)が必要ですので、週1回(月4回)通うと3,300円/月となり、利用者によっては上記の「最低ライン」とおおよそ同レベルのコストになると考えてもよさそうです。
「低価格」は利用者にとって良いことか
言わずもがな、同じサービスなら安い方が良いに決まっています。価格だけを考えると公営のスポーツジムがベストでしょうが、営業時間帯が短く、会社勤めの方などは勤務後に通おうとしても営業時間外であったり、自宅や通勤経路から離れていたりするケースがあり、使い勝手としては企業が運営するスポーツジムのほうに軍配があがる、というのが一般的な状況でしょう。
ですが、実際には完全従量制のジムは、あんじょうの知る限り公営のスポーツジム以外はありませんし、あったとしてもビジター料金などで割高です。
企業などの福利厚生制度で、「その都度払い」で割安に通えるケースもありますが、それは例外とさせてください。
そこで、利用者はジムを選ぶ際に「月8回以上通うならジムAが割安だけど、それ以下ならジムBの方が安いな」とか「ジムCよりジムDの方が月額千円安いけど、ジムCにはシャワーや更衣室があるし…」とあれこれ思い悩むことになります。
あんじょう個人としては「ジムは価格より通いやすさ」だと思っていますし、定額制のほうが、「通えば通うほど割安になる」点がモチベーションになるから良いようにも感じます。
ましてや、価格競争が激しくなり経営困難になったジムが閉店して不便になったり、トレーナーの質が低下してしまうのは利用者側としても望ましいことではありません。
そう考えると、このまま価格競争が激しくなることは利用者としてはあまり望ましいことではないのかもしれません。
おわりに
以上、今回は「スポーツジムの価格」について思うところを書かせていただきました。
価格は安いほうが個人的には助かるのですが、厳しい価格競争に負けて、せっかく近所にできたジムが閉店しまうのは残念です。業界を擁護するわけではないのですが、あまり価格のみを追い求めず、一定のサービスレベルを保つことを重視してもらいたいと感じますね。
それでは、今回はこのへんで失礼します。お読みいただきありがとうございました。