はじめに
AROUND60 FITNESS(ロクマルフィット)をご覧いただきありがとうございます! 筋トレ歴10年のライターあんじょうです。この記事では「手軽・安価に自重トレーニングをレベルアップできる筋トレグッズ」をご紹介します。「自宅で筋トレを始めたけれど、もう1段階レベルアップしたい」という方、参考になると思いますのでぜひお読みください。それでは、本日もよろしくお願いします。
自重トレーニングのメリットと限界
「コロナの影響で、自宅で筋トレをする人が増えた」というニュースを以前耳にしたことがあります。これらの自宅で筋トレされている方の多くはいわゆる「自重トレーニング(=自分の体重を負荷として利用する筋トレ)」を行なっているのではないかと思われます。
このブログでも過去に自重トレーニングの種目を紹介しましたが,「体を横たえられる程度のスペース」さえあれば、思い立ったときに始められる点が、「自重トレーニング」の一番のメリットです。
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ただ、手軽なのは良いのですが、「筋力アップ・筋肥大に効果的か」となると課題もあります。
まず、効果的に筋肉に刺激を与えられる種目は、それほど多くなく、種目選択の幅が狭い点が課題です。特に背中など「引く」筋肉を器具なしに自重のみで鍛えようとすると種目が限られてしまいます。
筋肉に刺激を与えるためには、重力に逆らう形で下から上に持ち上げる動作を行うしかなく、ダンベルなどの筋トレ用の器具がない状態では,バックエクステンション(脊柱起立筋群ねらい)、ショルダーシュラッグ(僧帽筋上部ねらい)くらいしかできないのが実際のところです。
また,太っているか、痩せているかにもよりますが,通常体型の方ですと、自重トレーニングの負荷は筋肉を発達させるには弱いことが多いのも課題です。一般に筋肉を成長させるには、10回程度(部位や体力によっては15回程度)で動作を繰り返せなくなる負荷で行う方が良いと言われています。しかし、スクワットや腕立て伏せなどは、一般的な体力をお持ちの方であれば、15回以上できる方も多いでしょう。
負荷が弱くても自分の筋力の限界まで出し切ることができれば効果はそれほど変わらないのですが、筋力の限界が来る前に、鍛えている部位が熱を持って痛くなったり、パンパンに張ってくる(バーン感、パンプアップなどと言います)と、筋力としてはまだ残っているのに、痛みや辛さで動作を続けられなくなってしまう、ということになります。(筋トレ慣れしていない方は、この痛みを「限界」と誤解されている方が多いように思います)
このような「張り」や「痛み」を我慢して筋トレするのも一部の方にとっては筋トレの「醍醐味」なのですが(?)、50代・60代のアラ還世代ともなれば、もう少し余裕を持って、楽しんで鍛えたいですよね。
以降、トレーニングの負荷を増やして、「少ない回数で筋力を使い果たせるようにする」工夫をご紹介します。
自重トレーニングを強化する方法・アイデア
自重トレーニングで負荷を強める工夫としては、以下の3点があります。
- 可動域を広くとる(距離)
- 抵抗を与える(重量・加速度)
- 稼働時間を長くする(時間)
「可動域」について
物理の実験ではありませんが、「運動量(仕事量)は動かす距離に比例」しますので、自重トレーニングで体を動かす距離が長い方が1回あたりの運動量は増える、つまりそれだけ筋肉に強い刺激を与えることになります。
また、可動域を広くとることで、筋肉は引き伸ばされた状態で力を発揮する必要がでてくるのですが、これが筋肉にとっては成長のための良い刺激となります。
「抵抗」について
「抵抗」を与える方法としては、ダンベルなどの「重たいもの」を使うことができれば、それが一番てっとり早いのですが、それがなくとも伸び縮みするゴムを使って似たような「抵抗」を筋肉に与えることは可能です。
「それは自重トレーニングとは呼ばないのでは?」と言われるかもしれませんが…
また、これらの道具がなくとも、自重だけで動作を素早く行うだけでも、「運動量(仕事量)は速度の二乗に比例する」ので抵抗を増やすことができます。
例えば、スクワットを行う際に「2秒で1回しゃがんで立ち上がる」のと「0.5秒で1回しゃがんで立ち上がる」のとでは、後者の方がキツいですよね。
「稼働時間」について
稼働時間を長くする、というのは動作の中で筋肉が緊張している時間を長くすることで負荷を高めることを指しています。例えば、腕立て伏せを5秒/回で行う場合、「1秒で曲げ、1秒で挙げ、上で3秒止まっている」より「3秒でまげ、曲げた状態で1秒待ってから1秒で挙げる」方が感覚的にもきついのはご理解いただけるかと思います。
筋トレグッズを上手に使いましょう
前述3点のうち、最後の「稼働時間を長くする」のはテクニックだけなのですが、残りの「可動域を大きくする」のと「抵抗を与える」には筋トレグッズを利用することが有効です。
本日は、自宅にスペースがなくとも使える手軽な筋トレグッズをご紹介します。自重トレーニングが物足りなくなってきている方はぜひご検討ください。
具体的には、以下3つです。
- プッシュアップバー
- 懸垂バー
- ゴムチューブ
その他、色々とご紹介したい優れものグッズはあるのですが、場所をとったり、ある程度費用がかかったりするものですので、これはまた別の機会にご紹介したいと思います。
他には「ディップススタンド」や「懸垂スタンド」をお勧めしたいのですが、これは別の機会に。
安価で手軽な筋トレグッズのご紹介
プッシュアップバーについて
名前のとおり、「腕立て伏せ(プッシュアップ)」を行う際に用いるグッズです。これを使うと、より深くまで胸を下ろせる、つまり肩関節をより大きく動かすことが可能になります。また、バーを握ることで手首を自然な角度に保てるため、手をつく位置の選択肢が広がります。
この「深くまで胸を下ろせる」という点、たかが数センチと思われるかもしれませんが、非常に大事です。
筋肉はストレッチした状態(腕立て伏せで言えば、腕を曲げて、胸の筋肉が伸ばされた状態)で負荷に耐えることで大きく強くなります。また、これによりトレーニング1回あたりの強度も高まります。
試せばすぐにお分かりいただけると思いますが、バーを使わないときよりも回数を繰り返せなくなりますし、終わった後の胸のパンプ(張り)が違ってきます。
また、床に直接手をつく場合は手首を大きく(90度近く)曲げねばなりませんが、プッシュアップバーを使えば手首を若干立てた状態で動作することが可能になります。このため、例えば「逆手の状態で動作して大胸筋上部に強い刺激を与える」といった「腕立て伏せのバリエーション」を増やすことができます。
使い方は「握って腕立て伏せをするだけ」なのですが、床との距離ができるので、おすすめは脚を椅子や台の上に載せて行う「デクラインプッシュアップ(腕の角度はインクラインベンチプレスと同じになる)」です。通常の腕立て伏せでは筋肉に刺激が入りにくい大胸筋上部に刺激が入ります。
懸垂バーについて
自宅で器具を使わずに背中のトレーニングをしようとすると、バックエクステンションのような脊柱起立筋周辺(+僧帽筋下部)を鍛える種目くらいしかありませんので、筋トレに慣れてきた頃には、ぜひ懸垂関連のグッズは用意したいところです。
理想を言えば「懸垂スタンド」が他の種目にも使えるため理想なのですが、場所を畳半畳程度取ってしまいますので「お手軽」とは言い難いところがあります。そのため、本日は安価で場所をとらない「懸垂バー」をご紹介します。
「懸垂バー」とは写真のように自宅内のドア周辺に突っ張り棒形式で取り付けたり、ドア上部に引っ掛けて用いるグッズです。
体重を支えることになりますので、ご自身の体重に耐えられるだけドア周辺の強度が十分か、などいくつか考慮事項はありますが、安価で手軽なことは間違いありません。
突っ張り棒形式だけで不安な場合は、自宅の柱にねじ止めする「取り付け治具」を併用すると体重が重たい方でも十分使えると思います。(ただ、家の柱に数mm程度のネジ穴が空いてしまうので気になる方はご注意ください)
「懸垂」の動作は負荷が強いので、体力によっては「0回しかできない」という方もいらっしゃるかと思いますが、「(台を使うなどして)腕を曲げた状態でぶら下がり、そこから数秒かけて腕を伸ばす」という動作を10回程度繰り返すだけでも筋トレ初心者の方には良い筋トレになりますので、ぜひチャレンジしてください。
ゴムチューブについて
収納時に関していえば「置き場所に困らない筋トレグッズ」No.1と言えるでしょう。
ゴムチューブ1本で「ショルダープレス(肩・腕)」「プッシュアップ(胸・肩・腕)」「サイドレイズ(肩)」「カーフレイズ(下腿)」「フレンチプレス(腕)」「アームカール(腕)」など多彩な種目が可能になります。
絶対的な負荷強度はダンベルなどのフリーウェイトには及びませんので、大腿四頭筋やハムストリングス(大腿二頭筋)を鍛えるには少し強度が足りないと思いますが、下腿部や臀部のトレーニングには十分使えます。
ゴムチューブはその素材の特性上、「伸びた状態(=引っ張った状態)が一番負荷が強く」なります。つまり「ゴムチューブを引っ張る=筋肉が収縮している状態」で負荷が最大になり、「ゴムが縮む=筋肉がストレッチした状態」では負荷が弱まります。そういった特性を考慮して「使いどころ」や「使い方」を選ぶことが大切です。
ゴムチューブ向きのメニューは機会を改めてご紹介しますね
もう少し本格的にステップアップしたい…ということでしたら、ダンベルとベンチを買うことをおすすめするのですが、「そこまではちょっと」という方にはまずはゴムチューブがおすすめ、ということになります。
グッズ選びのポイント
総じて言えることは「あまり安すぎる物は買わないこと」です。そもそも、いずれもそれほど高い物ではありませんが、ついつい安いものに目がいくのが人情ですよね。でも、手軽とは言え、筋トレの最中に身体を預ける道具なのですから、強度的に不安なものは避けねばなりません。
明確な基準はないのですが、ざっとネットで製品を見比べると大体の平均的な価格帯が見えてきますので、そのあたりから選ぶのが一つの方法です。また、若干「ブランド名」のコストが乗ってしまうのですが、ご自身が知っているスポーツ用品ブランドの製品を選ぶというのも「安心を買う」という意味では無難だと思われます。
以下、それぞれのグッズを選ぶ際の留意点を書いておきます。これはあんじょう個人が実際に製品を選ぶ際や実際に使った際に気づいた点です。
プッシュアップバー
- 金属製の方が一見して強度的な安心感はありますが、相当体重が重たい方でもない限りプラ製でも十分かと思います。あんじょう個人が購入した製品はプラ製(おそらくABS樹脂)でしたが、全く不安はありません。
- バーが床と水平な製品と、若干角度がついてあるものがあります。デザインも様々ですが自宅に長く置いて使うものですので、自分の身体にあったもの(=手首が固い方はバーに角度がついてあるものが使いやすいと思います)でデザインが気に入るものを選べば良いと思います。
懸垂バー
- 完全な突っ張り棒系式だけの製品でも、壁や柱とバーの間に挟むゴムの摩擦で体重が軽めの方は十分使えると思う思うのですが、安全のことを考えると、自宅の壁や柱にネジ穴を開けられるのであれば、固定用の治具を使うほうが無難でしょう。
- 突っ張り棒形式の場合、製品によって最大長が異なりますので、選ぶ際にご自宅の取り付け場所のサイズを測ってから選択するようにしましょう。
- ドアの出っ張り部分や襖の鴨居にひっかけるタイプのものは手軽ですが使わない場合、若干ですが置き場所が必要になるのと、「ひっかけ方」にいくつかパターンがありますので、購入候補の製品の引っ掛け方がご自宅の構造と合っているかどうかは、よくチェックしたほうが良いと思います。
ゴムチューブ
強度、カラー、サイズ(長さ)の違う製品が多数出ています。単なるチューブ(紐状)のものと、輪(ドーナツ状)のものがあります。いずれも使っていると数年でゴムが劣化して買い替えが必要になります。購入の際は「消耗品」だと理解した上で、値段などを見るようにしましょう。前述のとおり長さ・強度は製品ごとにまちまちですので、通常は同じシリーズで長さや強度を変えて複数購入することが多いのではないかと思います。(例:フレンチプレス用、腕立て伏せ用、など)
まとめ
以上、本日は「自重トレーニングに慣れてもう一段ステップアップされたい方」を対象として「安価で手軽な筋トレグッズ」をご紹介させていただきました。これらの筋トレグッズを組み合わせて、是非トレーニングのレベルアップを目指しましょう。
あんじょうの経験上、自重トレーニングでは「ディップスバー」と「懸垂バー」を使ったトレーニングが最も強度が高く、効果も大きいと感じています。ディップスバーはまた別の機会にご紹介したいと思います。(コロナでジムが閉鎖した頃に買って、再開と同時に「⚪︎nd Street」に売ってしまったんですが・・)
それでは、本日はこの辺にしたいと思います。最後までお付き合いいただきありがとうございました。