はじめに
AROUND60 FITNESS(ロクマルフィット)をご覧いただきありがとうございます! 筋トレ歴10年の副業ライターあんじょうです。この記事では前回記事に引き続き、50代・60代の筋トレ初心者がスポーツジムを選ぶ際に知っておきたい「フィットネスクラブごとの特徴の違い」について深堀していきたいと思います。
前回の記事のダイジェスト
前回の記事では図を用いて「フィットネス業界の各社のポジション」と「それが、どのようなタイプの人に向いているか」をご説明しました。
フィットネスクラブは大きく「統合型フィットネスクラブ」「24時間&セルフサービス系ジム」「軽負荷ウェルネスクラブ」「コミット&サポート系ジム」「専門スタジオ」に分類ができ、それぞれのフィットネスクラブの特徴と自分が筋トレをする目的とを突き合わせて選ぶことが大事というお話をさせていただきました。本日は図にある分類ごとに、どのような特徴を持つのか前回よりも詳しめに説明していきたいと思います。
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フィットネスクラブの特徴(深堀り)
ここから「統合型フィットネスクラブ」「24時間&セルフサービス系ジム」「軽負荷ウェルネスクラブ」「コミット&サポート系ジム」の順に説明させていただきます。なお「ヨガ、ピラティス、キックボクシング等専門スタジオ」については、直接的に筋トレを行うためのクラブではないため、今回は説明を割愛させていただきたいと思います。
統合型フィットネスクラブ
大型店舗であれば、筋トレ用のマシンは1部位(胸・背中・・等)あたり数種類設置され、フリーウェイトトレーニングのためのスペースと器具も確保されているケースが多いです。また、ダンスやヨガのためのスタジオやプールが設置されているのもほぼ標準パターンでしょう。シャワールームにサウナが併設されていることも多く、施設によっては風呂やジャグジーが設置されているところもあり、「月1万円前後の会費を払うのだから、色々できたほうが良い」と考える方には有力な選択肢です。良くも悪くも多くの顧客層・年齢層のニーズに応えようとして設備やサービスを揃えている印象があり、ジムをお勧めする立場としては「最初のうちはこれを選んでおけば、まあ間違いは少ない」と思います。なお業態として「古くからある」ため、利用しようとする店舗のオープン時期(←90年代から営業している店舗も)や設備更新のタイミングによっては設備が古臭く感じることがあるかもしれません。店舗を選ぶ際はジムフロアだけでなくアメニティスペースもチェックするようにしましょう。
あんじょうの経験としては、筋トレマシンの古さより、更衣室やシャワールームの古さ(匂い)が気になったことが・・
トレーナーは常駐していますが、知識や実技レベルはクラブよって差が激しいように思います。スポーツ競技で実績を残されているレベルの方もいれば、スポーツをしたことが無いのではないか?と疑うようなアルバイトの方がいたケースも私自身は経験しています。筋トレ経験者で普段トレーナーに質問したりする必要性がない方であれば何の問題もないのですが、色々教わりたい場合には留意する必要があります。
24時間&セルフサービス系ジム
エニタイムフィットネスなど近年急速に拡大している業態です。設備はほぼ筋トレに特化し、プール等の「+α」の設備はありません。その分、利用料も低めに設定されているように思います。アメニティも必要最低限で「快適さは二の次。筋トレさえできたらOK」という方にとってはコストパフォーマンスは高いのではないでしょうか。比較的新しい店舗が多いため、設備の古さが気になるといったことも少ないと思います。
24時間利用できることが魅力なのですが、日中にトレーナーが常駐している店舗でも早朝・夜間は不在になるため、利用時は入会時に貸与される電子キーでオートロックを開錠して入店します。時間帯によって店舗にスタッフがいないため、マナーの悪い利用者とかち合ってしまった場合、トラブルにならないよう気を付ける必要があります。
筋トレ初心者の場合、そもそも自分自身がジムマナーを知らない場合も多く(←入会時に一通りは説明を受けるはずですが、50代・60代の人が、初めて聞く話を1回聞いただけで覚えられるか、という話もあり)自分が他の利用者に迷惑をかけたり不快な思いをさせるリスクもあることに留意が必要です。ネット上では24時間ジムでマナー違反をする「イキりトレーニー」の話を散見しますが、私自身はそのような方に遭遇したことはなく、逆に、同世代が(恐らくマナーを知らないで)マナー違反をする姿を見かけたことがあります。
私個人としては基本的に「筋トレ・ジム利用に慣れた方が利用するジム」という印象を持っています。
余談になりますが、最近ではRIZAPが手掛ける「ChocoZAP」が急速に店舗を拡大しているそうです。私の生活圏内にもあるのですが、マシンは各部位1種類、店舗も小さく、シャワーなし・更衣スペースも最低限・・という「極限まで割り切った」施設です。実は私自身はまだ利用したことはなく、体験を元にしたコメントを書けないのですが店舗の外から見た印象では、利用者が多い時間帯だと器具の利用待ちが発生するのではないか、という点が気になりました。アプリで混雑具合などを事前確認できるらしいので、込み具合によってトレーニングの日を融通できる方はそれで問題ないのでしょうが、「〇曜日と〇曜日の週2日、会社帰りにジムに通う」と決めているような方は、混雑を受け入れるしかない点に留意が必要です。しかしながら「複数店舗をコストアップなしに安価に利用できる」点は大手クラブにない大きな付加価値だと思います。大手クラブでも「複数店舗利用が可能な会員種別」があるのですが、基本的には割高です。今後はこういった料金設定や運営形態が増えるのかもしれません。
軽負荷ウェルネスクラブ
女性に特化した※カーブスが代表格で、これも急速に店舗数を増やしています。(※ カーブスは最近男性向けも始めているようです。この記事を書く前に確認して知りました)。あんじょうは男性なので女性専用のカーブスを利用したことはないのですが、家族が一時期利用していたことがあります。油圧で負荷をかけるタイプのマシン(=高負荷設定はできないが、反動がないためケガのリスクが低い)をフロア内に円形に配置し、サーキットトレーニングの要領で、30分かけて1クール行う、という方式が主とのこと。いわゆる筋肥大のためのトレーニングではなく、循環器系と筋肉に同時に刺激を入れ身体を活性化させるといったねらいがメインと思われます。
店舗にはスタッフが常駐し、指導もしてくれますので、「体を動かしたいが本格的な筋トレには抵抗がある」方、特に女性には有力な選択肢になると思います。ただ、基本は「サーキットトレーニング(=複数種目の運動を順番に連続して行い無酸素運動と有酸素運動両方の効果を得ようとするトレーニング)」ですので、他の利用者と協調・ペースを合わせてマシンを順番に使う必要があり、「マイペースで自分の思うようにやりたい」方には少し合わないように思います。逆にジムやクラブで趣味仲間が欲しい方には有力な選択肢になるでしょう。
コミット&サポート系ジム
図ではRIZAPとゴールドジムを挙げさせていただきましたが、2つは全く別コンセプトのジムなので分けて言及したいと思います。
RIZAP
まず始めにお断りしなければなりませんが、私自身はRIZAPを利用したことがありません。以下に記載の内容はネットや書籍に記載された情報を元にした私見になります。
「結果にコミット」のCMで有名なRIZAPですが、分類上は「パーソナルジム」に分類される業態です。個々人に合った筋トレメニューと食事メニューを考案してもらい、その実施状況も細かく管理される、というスタイル。利用期間2カ月で数十万円(概算30万円程度)と高額なのですが、「そりゃ、そうだよな」と思うくらいきめ細やかに管理してくれるため、「自己管理に自信がない、一人ではできない」方には(目的達成に、コスト分の価値を感じる場合は、ですが)有力な選択肢となりえます。
RIZAPを利用しようする場合、留意いただきたいのは「ご自身の目的と合致するかどうか」ということです。結論から言えばRIZAPは「減量・ダイエット目的なら良いが、筋肥大目的には適さない」のです。月あたり10万円を超える出費を長期間続けることは一般には難しいと思われますので、RIZAPを利用する期間はせいぜい2~3カ月だと思います。食事管理と筋トレをセットで2~3カ月で体脂肪を減らすことはできますが、50代・60代の方がこの短期間で目立って筋量を増やすことは困難です。体脂肪減少や筋量増のメカニズムについては別の記事で今後言及したいと思いますが、ここでは「RIZAPの利用が向いているのは減量目的の場合」とご理解いただければと思います。
また、RIZAPの食事管理で特徴的なのは徹底した糖質制限です。これは体の仕組み上、体重減少という目的には即効性があるのですが、精神的な負担も大きく、仕事などの日常生活にも少なからず影響が出やすい方法です。利用料が高額なため、そもそも生半可な気持ちで利用される方はいらっしゃらないと思いますが、利用にあたってはメリット・デメリットのバランスを良く理解した上で選択されることをお勧めします。
ゴールドジム
現在、私が利用しているジムです。ここ数年の筋トレブームに伴いテレビやネットへの露出も増えてきたため一般の方の認知度が上がってきたように思います。
ゴールドジムって、ボディビルダーばかりいる敷居が高いジムなんじゃないの?
いえいえ、業態から言えばコナミやセントラルなどと同じ普通の「フィットネスジム」ですよ。確かに店舗によっては、「ガチ勢」というかマッチョ率が高いところもあるのですが…。
ゴールドジムはアーノルド・シュワルツェネッガーが利用していることで有名ですね。日本で言えば、中山きんに君(中山翔二選手)やその他筋トレ芸人がメディアで取り上げていることが多いように思います。他の総合フィットネスクラブと差別化される要素としては「マシン・器具の充実度」と「トレーナーの質の高さ」です。
逆に普通の総合フィットネスジムにはあるのに、ゴールドジムに無いものとしては「プール」です(店舗によってはプールのある施設もありますが、標準的に設置される位置づけのものではないようです)。それを除けばスタジオでダンスやヨガのメニューが受けられたり、有酸素運動用のトレッドミルやエアロバイクも整備されており、他のフィットネスジムと違いはありません。
余談になりますが・・。一般の統合型フィットネスクラブですと有酸素運動のマシン(エアロバイクやランニングマシン)の人気が高く、マシンの順番待ちが発生しているのをしばしば見かけたのですが、なぜかゴールドジムは有酸素エリアの人気がありません。マシンの台数はそれなりにあるのですが、利用者が少ないのです。有酸素運動を中心に運動したい方でも混雑回避のためにゴールドジムを使う、という選択肢はあるのかもしれません。
会員層は前述のとおり他のフィットネスクラブと比べると「マッチョ率」が高いとは思うものの、会員の大部分は所謂一般の中年~高齢層であることは他の総合型フィットネスクラブと同様です。男女比も他と比べて感覚的な違いは感じません。
その他、ゴールドジムに特徴的なことと言えば、トレーニングベルトやパワーグリップなど、筋トレ用のギアを装着している人の比率が高いことと、仲間うちでワイワイガヤガヤしている方が少ない(一定数はいらっしゃるのですが・・)印象があることでしょうか。一言で言えばジムフロアに「ザ・筋トレをするための場所」という雰囲気が充満していると申しますか。「宅トレ・ジムトレどちらが良いか」という投稿で言及したことがあるのですが、筋トレを継続するには「環境」も大切です。そういった観点ではゴールドジムは筋トレをする環境として最適だと思います。逆に言えば「気軽に筋トレを始めたい」方にとっては、その「雰囲気」が自分のスタイルに馴染むか馴染まないかが一つの判断要素のように思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。フィットネスクラブを分類してそれぞれの特徴について詳しめに説明してみました。皆さんがフィットネスクラブを選ぶ際の参考にしていただければと思います。ただ、ここまで書いていながら申し訳ないのですが、ジムを選ぶ際に大事なのはジムの特徴だけではないのです。筋トレを長く続ける観点で大事なジム選びのポイントについて、次回も説明を続けたいと思いますので、そちらも是非ご覧ください。では、本日はこの辺にしたいと思います。お読みいただきありがとうございました。
- フィットネスクラブは大きく「統合型フィットネスクラブ」「24時間&セルフサービス系ジム」「軽負荷ウェルネスクラブ」「コミット&サポート系ジム」「専門スタジオ」に分類ができ、それぞれのフィットネスクラブの特徴と自分が筋トレをする目的とを突き合わせて選ぶことが大事
- 統合型フィットネスジム
最大公約数的に誰にでもお勧めできるジム。筋トレ以外にも色々経験したい方には有力な選択肢 - 24時間&セルフサービス系ジム
筋トレ・ジム利用に慣れた方にお勧めのジム。ただしスマホのアプリや動画サービスを駆使して初心者のサポートを行うジムも出てきており、今後は初心者にも利用しやすくなっていくと思われます。 - 軽負荷ウェルネスクラブ
筋力アップ・ボディメイクより総合的な健康・体力の維持を主目的にされつつ筋トレに気軽に取り組みたい方にお勧め。ジムで仲間を作りたい方にも良いと思います(ただし、「すでに出来上がっているコミュニティ」に新参者として後から入れるかどうかは留意点)。 - コミット&サポート系ジム
・自分だけでは達成できないような減量・ダイエットのサポートを求めているならRIZAP。
(もしくは、その他のパーソナルジム)
・ボディメイクに真面目に取り組む環境を求めているならゴールドジム。