AROUND60 FITNESS(ロクマルフィット)をご覧いただきありがとうございます! 筋トレ歴10年の副業ライターあんじょうです。この記事では筋トレを継続するために大切な「目標設定」の具体的な方法について書きたいと思います。
「目的の明確化」「現状把握」「目標設定」の関係性と重要性について
この3つの関係性と重要性は別の記事に書きましたので、詳しくは是非そちらをご覧ください。ここではごく簡単に図で示したいと思います。
一言で言えば、筋トレの目的と自分の身体の現状をよく理解した上で、現実的で無理のない目標を設定しましょう、ということになります。
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目標設定はスマート(S.M.A.R.T)に
目標を設定する際の考え方に「スマート(S.M.A.R.T)」というものがあります。各文字は単語の頭文字なのですが、それぞれは以下の意味を持ちます。
S:Specific(具体的な)
M:Measurable(測定可能な)
A:Achievable(達成可能な)
R:Relevant(関連性のある)
T:Time-bound(期限)
筋トレで目標を設定する際にもこの「S.M.A.R.T」という考え方は役に立ちます。ただ単に「痩せたい」「健康になりたい」「筋肉をつけたい」ではなく、「第一ステップとして、6月末までに、体重を2kg落とす」「来年の夏までに、ベンチプレス60kgで10回3セットできるようになる」といった設定の仕方をしたほうが、よりリアルで、具体的に「実現するためには、どう行動すれば良いか」がイメージしやすくなりますね。
S.M.A.R.Tの観点 | 悪い例(△)・良い例(〇) |
---|---|
S:Specific(具体的な) | :格好よくなりたい △ 〇:体脂肪を落として筋肉をつけたい |
M:Measurable(測定可能な) | :腹回りの贅肉を取りたい △ 〇:腹囲をマイナス10cmしたい |
A:Achievable(達成可能な) | △:頑張って1カ月で10㎏痩せてやる! 〇:マイナス2kg/月ペースの減量を半年頑張る |
R:Relevant(関連性のある) | :ご利益のある神社でダイエット祈願する △ 〇:ウォーキングで消費カロリーをアップさせる |
T:Time-bound(期限) | △:明日から本気出す!(と言いつつゴールは決めない) 〇:6ヶ月後の8月末を目標期限に設定する |
気を付けるべきこと
気を付けねばならないのは、この目標設定に無理がないかどうかということです。50代・60代になると若い頃のように新陳代謝が活発なわけでもありません。急激な減量による空腹のストレスは日常生活にも影響しますし、高負荷過ぎる筋トレで腰や肩を痛めてしまっては筋トレの継続もままなりません。頑張りが本末転倒な結果を招かぬよう気を付ける必要があります。
目標実現のための計画の立て方について
それでは、怪我や不調のリスクを避けて無理なく筋トレやダイエットを行うにはどのような計画で取り組めば良いでしょうか。
一般に減量により脂肪を減らす場合、2kg/月程度のペースが身体への負担が少なく減量できる目安とされています(註:元々の体脂肪率や体重によって幅はあります)。「現在肥満体系なので、筋トレしながら痩せていきたい」と考えていらっしゃる方はこのペースを目安にしていただき、「筋トレして筋肉はつけたいが、脂肪を落とす必要はそれほど感じていない」という方であれば、体脂肪を減らすことは意識せず(むしろちょっと増えても良いというくらいの気持ちで)食事管理を行えばよいと思います。
この記事をお読みの方の中には「月2kg減ってペースは遅くないか。なぜもっと早く減量できないのか」と思われる方もいるかもしれません。もちろん2kg/月以上のペースで減量することも可能です。ただ、ペースを早めると、食事内容の変化や日々の運動量の負担が「ちょっとだけ頑張る・我慢する」から「気合を入れて真剣に取り組む」レベルになってしまいます。正直申し上げて、スポーツ競技で減量を行う方ならまだしも、50代・60代で例えば会社勤めをされている方などにとっては生活面でも体力面でもまた精神面でも負担が大きいと思われます。何事も無理をしないことが長続きのコツです。
筋肥大(筋肉量の増大)についても少しお話ししておきます。筋肥大については明確に「ひと月で〇kg」という言い方での目標設定と増量計画は少し難しいのが現実と思います。論文等を読むと成長期の青少年なら1年で10kg以上の筋量増が実現できる、というように「実現可能なレベル」を示す研究データなどもあるのですが、筋量増は食事だけでなく、運動強度や頻度、遺伝的要因なども絡むため「このくらいの筋トレをしたら、これくらい筋肥大するはず」という予測が難しいのです。体重の増加についてはある程度目標が立てられるのですが、これは筋肉と脂肪、両方が増加した値であり、そのまま単純には使えないのです(綿密に筋トレや食事管理の計画を立てれば予測もできないことはないのですが、ボディビルなどの競技レベルの話になってしまうので、ここでは割愛させていただきます)。
そこで一般には、筋トレの実施頻度と、1セットあたりの負荷(重量×回数)を目標として設定し、達成状況を見ながら計画的に目標設定を上げていく、という方法で、目標設定と実績管理のサイクルを小さく回していくことが多いように思います。
具体的には、「筋トレ頻度は週2~3回、1回あたりの種目は4~6種目、1種目あたり10回反復するのがギリギリの重量設定で、1セットあたり反復10回×3セット」とし、毎週、重量や反復回数の目標を増やしていく・・という方法です。正確に言えば、筋力増加と筋肥大は必ずしも一致しないのですが、一般には筋肉が増えたら(筋断面積が増えたら)筋出力も増す、という関係性がありますので、これから筋トレを始められる方は、まずは、このような指標で筋トレの目標設定を行うことをお勧めします。
なお、筋トレやダイエットの結果把握には体組成計やスマホのアプリなどで便利な機能がついたものが多数販売されています。このようなものを入手してお使いいただくと、面倒なく実績管理ができるので、目標管理が長続きします。多少お金のかかるものもあるのですが、筋トレやダイエットを続けるうえで、記録を取ることの効果は絶大ですので、興味をお持ちになられたら是非お試しください。
まとめ
以上、今回は「目標設定」と「計画」についてお話しさせていただきました。
次回からは筋トレやボディメイクを行う上での知識についてご紹介していきたいと思います。今回はこのへんで失礼します。お読みいただきありがとうございました。
- 目標設定はS.M.A.R.Tを意識して行いましょう。
- 脂肪削減(ダイエット)については、日常生活に支障のでないようなペース配分(1~2kg減/月)から始めましょう。
- 筋肉量増大(筋肥大)については、それ自体の定量的な予測は難しいので、筋トレ頻度や重量・回数設定の値を目標として設定しましょう。
- 体重や体脂肪率・筋肉量の計測、あるいは食事管理(カロリーコントロール)には体組成計とそれに連動するアプリが便利です。